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レオンさんの話を遮ってしまったけど、この金庫って様々な仕掛けが施されているようだ。不審者が侵入すれば、水が充満することだって可能だと聞いたことがある。
『ってことは、下は水路なのか』
「?」
水を充満させれば、排出することが前提条件となってくる。……まあ、ウチの家は海沿いじゃないから使うのは難しいシステムかもね。
うんうんと蘭パパの発言に頷いていれば、レオンさんは肩を竦めながら困ったように微笑んだ。
「そうもいかないのですよ」
大会開催中はベルトを会場へと運び入れるようだ。
会場でも警備は万全にするようだけれど、こんな金庫を見せられてしまえば劣るのも仕方ない。
……となると、キッドはその隙を狙うことになるのだろうか。
「サファイアが会場に移されるのをキッドは待っていると?」
「その通りさ。此処はリスクが高すぎるからね」
新一は小さく頷いてレオンさんへと手を差し出した。
「僕も微力ながら宝石の警護に協力させてください」
「ありがとう」
二人が協力すれば最強なんじゃないだろうか。
当日の段取りについて話し合う様子を尻目に、私は蘭へと近づくのだ。
『残念だねー、蘭』
「どうしたの?」
小首を傾げる姿に意地悪な笑みを浮かべてしまう。
『新一はやる気満々みたいだし、折角付き合って初めてのデートなのにね?』
「も、もう、A!」
からかうように言った私を叱る蘭だけど、顔が真っ赤なので可愛いだけだった。
「そ、そういうAはどうなのよ。確か快斗くん、だっけ?」
『あー』
そういえば、以前そんな話に彼を引っ張り出してきたような気がする。
園子と蘭の惚気話に相槌を打っていれば、急に私の話へシフトチェンジしたのだ。親しい男友達と言われて真っ先に思い浮かんだのが彼だったのだ。
今思えば彼に申し訳ないことをしたなー。知らない間に話題になるって複雑だろうし。
『その話はいーの。これで終わり!』
「えーっ」
恋バナは苦手だ。
蘭たちへ正直に伝えたとしても、それが彼女たちに認められるかは別だし、彼は私のことなんて一人のファンとしか見ていないだろうし。
『(それでも好きなんだもんなー)』
脳裏に描くのは私のヒーロー。
シンガポールに来てからまだ会うことは出来ていないけれど、きっと会えるって信じてるんだ。
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美紀 - 初めましてコナンの映画大好きなので最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月4日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - shoko0619さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。そういっていただけるとうれしいです^^ 完結に向けて続編をつくりましたので、引き続きそちらで読んでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 冷やし中華さん» 更新遅くなってしまい申し訳ありません。完結できるように書き進めようと思っていますので、またお暇つぶしに程度に来ていただければと思います (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» お返事遅くなりました! ありがとうございます。願望の塊ですが少しでも楽しんでいただければと思います^^ (2020年5月26日 0時) (レス) id: 82f870f677 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 神崎さんの小説読ませていただいてます。もう最高すぎます。キッドとヒロインもうドキドキで見てます。もう更新はされないのですか? (2020年4月20日 13時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎 | 作成日時:2019年4月19日 22時