華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

64:悪夢の石 ページ15

……

翌日、どことなくぎこちなさはあったけど
Aと普通に話せた


というよりはAは多分あの時寝ぼけてたらしい

幸い、俺がなにしたのかしっかり分かってないようで、なにか気にして口に出すだけ、
自分だけが恥ずかしい思いをしそうで、
掘り返しはしなかった

だが少しふざけたのが
見事に裏面に出てしまい、
逆に俺だけが気になってしまっていた


学校に送るのついてく、

と言うAを止めて家にいるようにと
なんとか説得し置いてきて
俺は神田さんに送ってもらった

「Aもだいぶ回復してきました
むしろ久しぶりのびのびとしておられるので
快斗様にとても感謝しています」

「いえ、大したことはしてないですよ」

「そのおしゃっていることがちょっとしたことであったとしても
やはり影響は与えるものですから
着きました、
では…なにかあればご連絡を下さい」
と神田さん



「ありがとうございます」

俺は家に寄らしてもらい、学校にまで送ってもらったのだった



教室に着いたら早速、彼奴の雄叫びが聞こえた



「またKIDの予告状よ、
これで今月3回目なんだから

狙いは城山財閥のナイトメア・ボール
だって〜もうよく次から次へと…

コシヌケKID、さっさと捕まんなさいよ！
どうせお父さんをからかってるだけだもの」


(…ほら、言ってる言ってる)



「大変だね〜青子のお父さん、お疲れ様ぁ笑笑」


「もう恵子、笑い事じゃないよ」
と頬を膨らませて怒る青子


…んだあれ笑笑、おもしれーな彼奴、相変わらず


「でも…悪夢の石、ナイトメア・ボールを盗みに来るなんてKID、
怖い夢でもみたのかしら？ね？黒羽君」

と、いつの間にか俺の隣にいる紅子


「な、なんだよ」


「別に、
なにもなくってよ」
ニヤリと笑っていってしまった

(なんだよ彼奴)

……

「……小林は熱が出たらしくて休み
西尾は……あいつまた寝坊か？
全く懲りないやつだな
まぁ後で電話確認するとして

で…大彌は………

おお、彼女も今日も休みだな
そういえば体調不良と連絡が入っていたもんな


はい、では今日の日直は黒羽だな、よろしく頼むぞ」


「…」
(はぁ…たくよぉ〜、今日午後から集会って地味に面倒だなあ
早く学校終わってくんねーかなぁ)



「…ば！……黒羽！聞こえてるか？」


「へっ？ぁはい」



「頼むぞ、では以上だ」



「起立！礼！

『ありがとうございました』」



(…はぁ？頼むぞって何をだ？)
不意に名指しされて我に返った

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