華麗なる奇術師たち 1【怪盗キッド】

43:責任感なのか？ ページ43

[バシン!!!]


いきなり開いてた教科書を閉められた


「んだよ？」

(オメーなにするんだよー)


「っ！

…だから今日の業後、恵子達とさ、カラオケ…」



「…」
(なんでこんなときにまたそういう話になるんだよー)

俺は言う言葉が見つからなくて
なにも言わないまま
とりあえず教科書を開き直すと
さっきの図をみて考え出す


(…ここの部分、確か先生が
一度躓くと全部崩れてくから
休まず来て授業しっかり聞けって
言ってたんだよな…

俺、ほぼ寝てるもんなぁ
だからノートもほぼ書いてないし
プリントにメモ残すぐらいだから
昨日、Aからプリント貸してもらって
夜に全部うつしたけど

……分からない…こうなるんだったらしっかり勉強すべきだった
これじゃAに教えられたもんじゃなi…)



「黒羽君、中森さんが泣いてそうですけれど？」


「んー、ったくなんだよー白馬まで…

…って、はぁ？」

なぜか青子が泣いている
机に突っ伏すようにして



「な！っ何で青子が泣いて…えぇ？」



「……はぁ、レディの誘いを断るなんて、君って人は」
白馬が肩をすくめる

(…んなこといわれてもなぁ…)


「……そんなに君が頑張らなくても、

(小声
大彌さんはそんなに勉強に困ってないですよ？」
と囁かれる


「なっ!!!」[ドサッ]


驚いた弾みにノートと資料集が落ちた


「べっ……
別に誰もそんなこといってないだろ？」

何故か物凄く焦る


「えぇ……誰も言わなくても……

このノートがもの語ってますよ」

そういって白馬は俺に落ちたノートをみせる

「これをみれば分かります、
ノート取らない君がわざわざ分かりやすくまとめている

(小声
誰かのためにノートをとっているんだとね」


「……」

白馬にそういわれてはたと気が付いた

別にAにノートを代わりにとってくれとは頼まれてない…
ただ暫く休むことを知っているから困らないようにとそういつの間にか勝手に作ったノートだ


何でそこまで頑張ってノートとっているのだろう

(……休めって言った責任感か？)



暫く何も言わずボーッとノートを見て考えていて
返事をしなかったからだろう、
ため息をついた白馬がノートを俺の机の上に戻した


「相当気になっているみたいですね」


「なっ!!!ちげーよ」

反射的にそれを振り払ったが、
俺は彼女気になっているのだろうかと
頭の中で回り始める



[Prrrrr……]


俺の携帯が鳴り出した
表示をみると

A

俺は席を立って廊下に急いだ

44:君との電話→←42:次の日から

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す