華麗なる奇術師たち 1【怪盗キッド】

42:次の日から ページ42

次の日はAが暫く休みだと聞き、少しクラスが騒がしくなった
そこまで調子が悪かったとは思わなかったのかもしれない

(Aは、ほぼほぼ休まずに来てる優等生だからなぁ

ま、あんな生活してたらどちみちこうなるだろうけどな

学校ではいつも元気ていうよりむしろ静かで仕事のために、いつもエネルギー貯めているって感じだけど限界はあるよな…)


「黒羽君、大彌さん、大丈夫なの？」

STが終わったら珍しく紅子がそんなことを言ってくる

「な、なんで俺に聞くんだよ」

「貴方なら知ってそうだと思ったからよ
昨日も気にしてたじゃない」

「短期入院……らしいぜ
センセーから聞いたけどさぁ」


「まぁ……いつも疲れている様子で負のオーラ纏ってるようだったけれど
思っていたよりも大分ひどいのね」

(負のオーラねぇ…)

珍しく嫌みいいながらも
心配する紅子が不思議だ
だって他人の体調不良なんて
あんま興味ないって思いそうなのに


「あら、なにその目…

私が彼女を心配して何か悪いのかしら」



「…んでもねーよ」
(変に興味持って関わってくるなよ
こいつにはAの正体知られたくねーし)

俺は今日の授業は真面目に受けるようにした
なんとなくAにノートを作ってやんなきゃって思ったから

(まぁ俺が休まさせたんだからな

正直Aのことを思い出す度に恥ずかしいそうに頬を染めた笑顔が出てくる…

Aって前の泣いてたときもそうだけど、
表情一つ一つが
印象が強く残るんだよな…何故だか)



周りの反応はなにも言わなくても
人が寄ってくる
珍し過ぎる俺の勉強ぶりに冷やかしにくる奴らばかりだ


でも不思議と奴らを気にせずほっといてしまえるほど俺は集中していた
ただ俺はもう早く病院に行きたかった
様子が気になってしょうがなかった



「……ぁ、…そういうことか

…だからこっちが…」



「…ょっと！
…ねぇ！…

ちょっと聞いてよ！？」


「ん？…なんだよアホ子か」


「何よ！アホ子って！
バ快斗の癖にぃ！」


「なんだよー、だから勉強してんだよ、邪魔すんじゃねーぞ？」


(悪いけどオメーを構ってるほど暇人じゃねーんだ

っていっても俺はそこまで成績悪くないし
むしろ青子よりいいと思うけどな)


「…な…何でそんなに勉強してんのよ！気持ち悪い」

「あー、気持ち悪くて悪かったねぇ…

…ぁ、あれここがこうだよな？
なんでこうなるんだ？…

…えーと、」

(図があるとこって…何ページだっけ？)


[バシン!!!]

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