華麗なる奇術師たち 1【怪盗キッド】

37:弱々しい手 ページ37

本日２度目の見舞いみたいなかんじだ


病室についたら、ついさっきまでショーをやっていた人だと思わないような弱々しい手がカーテンの隙間からみえた


「黒羽様、寺井さん大変ご迷惑お掛けしてすみませんでした、
そして助けて頂きありがとうございました…
ぁ、彼女はあれからずっと寝ています」


起こしましょうか という神田さんをとめて
寝てる彼女の様子を窺った


さっきはあえて暖かめの照明にしていたらしいので、なんとかごまかされた彼女の顔も
今の病室の白い蛍光灯でより青白くみえ
とても気の毒だ


(やっぱりショー自体、止めさせておくべきだったか？)

後悔が残る


気付いたら近寄り彼女の手を握っていた


「快斗君……」
(へ？…)


いきなり呼ばれて驚く

手を放した
(A？ お前が呼んだのか？)


彼女は相変わらず寝ている

(気のせいか……
大体、黒羽としか呼んでもらったことないし)


Aが身動ぎする 覚めたみたいだ


「……ここは？…」

(おいおいさっきの青子にみせた芝居通りじゃねーか苦笑)


「病室」


「医務室じゃなくて！？…」
一気に目が覚めたらしく起き上がる


「おいおい、急に起きるなって…寝てろよ」


「どうなってるの？

…ううう、黒羽君、睡眠ガスかけたでしょ…」
しかめっ面の顔をするA


「いーや…俺は電気遮断しただけだ…んなもの、かけちゃいねーよ

ってしょうがねーだろ、
お前が無理するのがわりーんだぜ？」


「はぁ…だよねごめん、
そうかなら長い間寝てたんだね
でももう大丈夫だから帰ろうよ…
明日あるし、起きるの待ってた？
待たせてごめん」

(おいおい、あのなぁ)


「A様…短期入院です

働き過ぎ、寝不足に貧血による体調不良で
ドクターストップ」
と神田さん


「……へっ？……にゅういん？…」


目を丸くしている

RUI様って騒いでるやつらが今の顔みたらどう思うだろう…
クラスでもこんな顔しないだろうな
結構可愛いんだけど


「…ちょっ…笑笑
冗談言わないでよ笑笑…
…嘘(真顔」


神田さんがため息つくと俺に向き直った
「…黒羽様…なんとかいってやってください…」

(おいおい、お手上げってか苦笑)


「明日の今ぐらいにしっかり回復できたら退院な

それまでダメだぞ……
暫く休めって医者がいってるんだから」

彼女はドクターストップをいわれ、パニックのようだ
俺的には妥当だと思うけどな

「休むって……
そんなことできるわけ…

学校は…ショーは？どうするの……？」

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