第41話 ページ46
『マルスとローザ』こけら落としの今日。
私は快斗さんにノートを見せていた。我ながら上出来。
「提案しといて言うのもあれだが、おめーよくばれなかったな」
「本当ですよ、私も驚きです。それで？ 今日はどんなショーを？」
「そいつぁ見てからのお楽しみ」
彼は人差し指を口の前に立てしーっとジェスチャーする。
手を動かせ手を、と思ったがそれは心の内側にぐっとこらえて、肩をすくめ
「残念ですけど、私は今日のショー立ち会いませんよ」
本当に残念そうに言った(つもり)。
「へ？」
「ちょっと用事が。それにチケット私の分ないでしょ」
「ああ、そうだな。俺と青子の分しかねーもんな」
「快斗さんが戻ってくる前までに帰ります。それでは『マルスとローザ』楽しんできてください」
「っておめーもう行くのか？」
「快斗さんも早く行った方がいいんじゃないですか？ 時間」
「うわっやっべえ！」
『怪盗キッド』の彼からは想像できない気の動転ぶり。
さーて私は用事を。
「良い報告、期待してます」
＊ ＊
杯戸公園前。
人気は少なく、星が輝き始めた。
今日は三日月？ それとも27日月？
不意に視線をやると偶然にも私の目に白のRX-7が映った。
あの車、どうやら待ち人来たり。
案の定、その車からは彼女――『ベルモット』が乗っていた。
彼女は私に気づくと、怪しげに手招きした。
「あら？ 今日は『例の子』とは一緒じゃないの？」
「残念ながら、彼は彼女とデートしてますよ」
「『マルスとローザ』でも見てるのかしら？
「!?」
ベルモッドの的確な答えに私は目を見開いて驚いてしまった。
「ど、どうしてそれを――」
「教えられないわ。まあ乗って頂戴」
動揺を隠せないが、言われるがままに車に乗った。
運転手はこの前の金髪の男性？
「誰ですか？」
私は助手席に座ったベルモットに問う。
「『バーボン』よ。組織の一員、貴女知らないの？」
「知らないね。初めまして『バーボン』さん」
運転手の彼はニコリと笑顔を作り「初めまして」と言った。
いい人だなと思った。しかしそれと同時に悪寒がした――気がする。
「行きましょ」
彼女の合図で車は発進され、混みだした国道を走る。
私は移ろうガラス越しの夜景を眺めつつ、必死に頭をフル回転させた。
――なぜベルモッドは快斗さんが『マルスとローザ』を観に行くこと知っていたんだ？
嫌な感じだ。
さあ、夜の帳が落ちてきた。
ここから私はAじゃなくて『バーバラ』だ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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革ベルト
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ふ。 - ？「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません！」 (4月14日 21時) (
レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます！ 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ！私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(｀・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、３年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか？ (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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