第37話 ページ42
「それはそうと快斗さん、なんかマントに染み、ついてましたよ」
「え゛!?」
「ちょっと貸して下さ〜い。ほらここ」
「うわっ本当だ……。いつの間に」
白いマントの正面から左下あたり――なんかケチャップみたいなのがついていた。
今日このまま盗み出したのか……快斗さん。
「クリーニング……いやそれじゃあ俺がキッドってばれちまうな」
「寺井さんにお願いすればいいんじゃないですか？」
「そーだな、行ってくる！」
快斗さんがお店に入ったのを確認し、私は前を見たまま『彼女』に話しかける。
「ストーカーで訴えますよ？ 『ベルモット』さん」
その名前を呼ぶとどこからともなく『彼女』が私の前に姿を現した。
金髪で、きれいな肌で、赤い唇。
体のラインが強調される黒の服を纏い、凛としつつも怪しい表情。
組織のあの方、のお気に入り。
世界的大女優だったっけ？
「さっきの彼、あれが『例の子』？」
「そうですよ、私の渡したデータ通り組織には関係のない人間です。ぜひ捜査対象から外すように――」
「まあ言うだけ無駄だと思うけどね、前向きに検討するわ」
どっかの政治家の様な在り来たりな返答に私は舌打ちをし地面の砂をぐりっと踏みつけた。
その私の様子をみて彼女はふ、と口角を上げ笑みを浮かべた。
「ねえ『ベルモット』。二日連続で貴女が私なんかに関わってくるなんて組織も随分暇になったのかしら」
「な訳ないじゃない、こっちはキールの件で色々あって今大変なのよ？」
「私の知ったことじゃない。用件を言ってって言ってるの」
キッと睨みつけると彼女は私から視線を外し、公園に止めてあった車に向かった――その車には誰か金髪の男性が乗っている、誰だ？
その車から戻ってくると彼女はA4サイズの茶封筒を私に差し出した。
「昨日貴女が欲しいって言ってた情報よ、あげるわ」
「仕事が早いねえ、今度の見返りは何かしら？」
彼女は「感謝の言葉も言えないのね」と軽い文句を言い、耳元で私に囁いた。
「『アイリッシュ』が今月中に貴女に会いたいって言ってたわ――あと化学班の研究員たちも」
「いやー私人気者ですね。でもなんで『アイリッシュ』が？」
「『例の子』のことでしょ、言いだしっぺは彼なんだから」
私が訝しげな顔になると彼女はまた笑う。
そして彼女は踵を返し再び車へと戻る。
「じゃあね、哀れな道化師さん？」
捨て台詞のように別れを告げた彼女を私はただ黙って見送った。
あの車……白のRX-7ね、覚えておこう。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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ふ。 - ？「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません！」 (4月14日 21時) (
レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます！ 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ！私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(｀・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、３年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか？ (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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