第20話 ページ23
その奇術師は白いハンググライダーで周囲のビルを横切った後、ほんのわずかな間姿を晦ました。
しばし、ファンはどよめいたが、なーに驚くのはこれから。
次の瞬間、煙幕とともに再び怪盗キッドが現れる、しかも。
宙に、空中に浮いているのだ！
ファンや警察が「浮いてる!?」と驚きを隠せないでいる。当然だ。
この場に集まった全ての人が怪盗キッドに釘づけだが、私は空を見上げつつも車の方を気にしていた。
ヘリが丁度、移動しだした時、車から何人かの機動隊員と探偵君が飛び出し、ビルへと一目散に向かったのが見えた。
「怪盗さん、我が以下略！ がビルに走っていきましたぜ。屋上に向かうつもりじゃない？」
少し待ってみたが返事はなかった。
そりゃショーが始まったのに裏方と喋る役者なんていないもんね。
もしくは、わざとシカトしたか。
「オホン！」
キッドの大きな咳ばらいが聞こえた。より一層、皆の視線がキッドに集まる。
「レディースアンドジェントルメーン!!」
わああっという歓声が巻き起こる。とりあえず私もわあと言っといた。
棒読みで。
「さあ！ 今宵の前夜祭、我が肢体が繰り出す奇跡をとくとご覧あれ」
そのキザのセリフと同時に彼は――怪盗キッドは空中を闊歩しだす。
わあという感嘆とええっという驚きと。
ぐぬっと睨みつける人や、笑顔でショーを見る客。
2.3分キッドが月光を浴びながら優雅に空中を歩いていたが急に足を止めた。
大方あの例の仕掛けが作動したのを確認したってところかな。
「では明晩20時、再び同じ場所でお会いしましょう」
帽子を取り、丁寧にお辞儀をしてから再び煙幕によって『怪盗キッド』は姿を消した。
地面には彼が今の今までつけていた帽子――白いシルクハットとマントが群衆の間をひらひらと舞い降りてくるだけだった。
「消えた」「すげぇキッド！」「空中で……」
各々が様々な感想を抱き、そのまま口に出している。
隙を見て私はこの前教えてもらった早着替えをし警察官に扮す――もちろんすぐ近くに本物はいないことは確認済み。
「下がってください、そのマントと帽子には触らないように」
キッドファンを押しのけ、マントと帽子を回収する。
ええ、とファンからの声が聞こえたが「大事な証拠品ですから」と一蹴した。
回収後すぐに人混み紛れ変装をといた。
そして、何事もなかったかのように帰路につく。
前夜祭はどうやら大成功のようだ。インカムからも快斗さんの自画自賛の声がずっと聞こえていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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ふ。 - ？「私はこの人を信用しているし信頼しています」でも尊敬はしていません！」 (4月14日 21時) (
レス) id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» お気遣い心から感謝申し上げます！ 桜さんも健康にはくれぐれもご留意ください。 (2018年3月7日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いえいえ！私の方こそ指摘したくせに間違えていたらどうしようかとヒヤヒヤしておりました(｀・ω・´ )。最近日によって気温の寒暖差が大きいのでお体にお気を付けて下さいね。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。おっしゃる通りです、３年近くずっと気が付きませんでした……。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 突然すみません。conjurer and ciown の「ciown」がもし「ピエロ」という意味ならば「clown」ではないでしょうか？ (2018年3月4日 1時) (レス) id: ee608e2089 (このIDを非表示/違反報告)
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