【怪盗キッド】奇術師と道化師

第18話 ページ21

大体の情報や資料はも15分程度で調べ上げることができた。
勿論、寺井さんもいたからできたことだし、鈴木財閥の機密事項にかかっていた防火壁とかが大したことがなかったことも幸いした。

なぜかこの店にあった3Dプリンターを使って博物館の模型まで作り終えたところで快斗さん帰ってきた。帰るや否や模型に近づき「こいつが大海の奇跡か」と感嘆の声を上げた。

「ハンググライダーで飛んでって抱えて帰れるんじゃね〜か？」

鼻で笑いながら快斗さんは言う。
すぐに寺井さんが「そうも参りません」と否定した。

二人で議論を交わしだしたので、私は蚊帳の外にいることにした。
仕掛けとかマジックの種とか罠とかはやろうと思えばできるけど、あんまり向いてないし。
向いているのは悪戯だけ、なんーてね。
道化師は決められた演目や技をこなすだけ、失敗しながらも滑稽にいつも笑顔で、ね。

「ハンググライダーは使えねえな。別の足を考えるか」
「それでも難しゅうございます」
「今度はなんだよ」

蚊帳の外飽きたから、会話に入ろう。

「施工業者から仕入れた、つか盗み取ったデータだとね」

模型に近づき、大海の奇跡に手をかけ例の仕掛けを作動させた。
その仕掛けをみると快斗さんは「おいおい！こんなのアリかよ！」と驚いた。

「アリでございます」「日本の金持ちはすごいね〜」

寺井さんと私もこの情報を手に入れた時は『はぁ！？』みたいな反応をしたが鈴木財閥、鈴木次郎吉ということを考えると納得してしまった。

「博物館の中も監視カメラが100台あるしね、しかも誰も警備は置かないらしいよ」
「それってつまり……」快斗さんが少し青ざめる。
「坊ちゃまの十八番の警察に変装して盗む、ができないってことになります」
「あとヘリにもカメラが備えられてて、すべての映像が――ほらそこの車に集められて一括でチェックできるみたい」
「映像ね――！」 にやりと何かを確信した様。

あとは二人にお任せ。
そろそろ蚊帳の内が飽きてきたから、蚊帳の外に戻るとしよう。

暫くして決まったみたいだ。

「A、パソコン貸してくれ」
「え？」
「予告状。次郎吉のじーさん宛に」

無言でメール画面をだし、パソコンを貸すと快斗さんは慣れた手つきで予告文を打ちメールを送信した。

「今週の土曜が楽しみだよ」
私が呟くと彼はケケケっと笑い、最高のショーにするぜと意気込んだ。

「じゃあ細かいこと決めてくぞ」
そのショーの内容はinterestingでfantasticなものだった。

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