67 ページ33
「……はい。」
「…ありがと。」
ココアの入ったカップを手渡される。コップから仄かに出ている湯気がゆらゆらと揺れている。
ゴクリと一口、口に含む。
「…落ち着いた？」
「ん…。」
私達はソファに隣り合って座っている。
涙は止まった。
「…でさ、どうしたの？…嫌な夢でも見たの？」
まるで小さな子供をあやすような言い方。…小さい頃はこんな風に、慰めてもらうこと、あったなぁ…
「まぁ、ね。」
「そっか…。…どんな夢だったのか、知らないけど。…僕は、Aちゃんの側にいるよ。…ずっと。」
その言葉は、私を安心させてくれた。…他の、どんな言葉じゃなくて、ただ側にいてほしかっただけなんだろうな…
「なんか…ありがとね。」
そう呟くと、チョロ松もふっと微笑みながら、「僕には、これくらいしかできないから。」
そんなこと、無いよ。…きっと。
チョロ松は、やっぱり、私のお兄ちゃんだ。
今まで、兄じゃないとか、嫌いとか、言っててごめんなさい。
だから、妹じゃないとか…言わないで…。
安心したら…眠くなっちゃったな…。
このまま寝ても、怒らないかな？チョロ松…
「…あれ？Aちゃん…？…。寝ちゃったか…。…しょうがないなぁ…」
立ち上がってAを部屋におんぶで連れていこうと思ったのだが、Aの手がしっかりとチョロ松の服の裾を掴んでおり、外すことができない。
起こすのもかわいそうだし…
「…おやすみ、Aちゃん。良い夢を…」
二人は眠りに落ちていったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モノクロアリス(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!!頑張って更新しますね♪ (2016年6月21日 6時) (
レス) id: 588f4773fd (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続き待ってます！ (2016年6月21日 0時) (レス) id: a4c5690381 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロアリス(プロフ) - ノンのんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえるとうれしいです♪これからも頑張るので、よろしくお願いします！ (2016年6月16日 6時) (レス) id: 588f4773fd (このIDを非表示/違反報告)
ノンのん - 続きが気になってしまいました！楽しみにしています！∂∀∂ (2016年6月16日 1時) (レス) id: 73664a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
モノクロアリス(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます!!どちらも応援していただき、嬉しいです!!これからも頑張るので、よろしくお願いします！ (2016年6月15日 18時) (レス) id: 588f4773fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
