無気力系毒舌少女の憂鬱〜part1〜

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無言のまま座っているカラ松の隣に座る。




「……どうして、ここに…？」


「……。何だろうね。…勘？」





そのあと、また二人で無言になる。…あー、早く帰んなきゃいけないんだっけ…



「何で、カラ松はここに？」


「…気付いたら、ここにいた。…僕、ここが好きだから…。歩いてたら、見覚えのある場所に来て…」


「…で、帰れなくなったと？」


「……。」




はい、図星。みなさん、知らない道をふらふら行くのは危険ですよー。今、身をもって知った方がここに一人。




「…綺麗だよね。」




ぼんやり呟いた私をカラ松はチラッと見る。



いつもは青いけど、今は夕暮れ時。夕日がキラキラと反射していて、赤く染まっている。





「うん！」



嬉しそうに頷くお前の顔も赤く染まってる。…いやぁ、赤って本当に強い色だよね…





「私もここ、好きなんだよね…。結構前に兄貴に連れてってもらってさ。」


「そうなんだ。…てっきりここ、僕しか知らないとばっかり思ってたよ。こんな奥の方まで来ないでしょ？普通。」




バーカ、将来お前が教えてくれるんだよ。






「…帰ろっか。」


「……。うん。」






＊



家路を辿ってるうちに、すぐに日が沈んだ。辺りは真っ暗だ。



良かった…それなりに早く見付けられて…







あんな思いはさせたくない…





私も、9歳の時、コイツみたいに迷子になったのだ。幼かった私は、夜が怖くて…。一人で泣いていた。








…そういえば、あの時、私を探してくれたのはカラ松だったな…







コイツも、心配してくれたのかな…。私みたいに。








だとしたら…





「ありがとう。」




お前が戻る前に、私が素直になれるうちに言っておくよ。…感謝の言葉を。

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