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イタリア達三人は街を歩いている。…が、案の定、予想通り。人気はまるで皆無。4ヶ月ほど前まではそれなりだったのだが、ここ最近、某アニメで言うところの、「どこでもドア」の様な物が開発されてしまったため、歩くことが必要なくなったのだ。
ちなみに、どこにでも行けるという訳ではなく、ロックされている場所もあるのだ。
た例えば、銀行など、犯罪が起こらないようには対処されている。
「ほんっと人いねぇな…店も開いてねぇし…」
みんな、何で暇潰ししているんだよこのやろー、なんて呟きながらロマーノは石を蹴飛ばす。
「んー…日本みたいに、パソコンいじってるんじゃないのかなぁ…?電気とかも、持続可能エネルギー発見されちゃったし…」
詳細は、その会社に勤めないとわからないらしいが、そんなものが発見されたのだ。
だから、地球温暖化など、環境問題には支障をきたさない程度にはなっている。
人類もよくここまで成長したものだ、としみじみ思わせる。
「あの…二人とも、立ち止まらずに私の言うことを聞いてください。」
ふいにAは小声で二人にそう話しかける。
「どうしたの?Aちゃん。」
「後方5メートル辺りに人がいます。恐らく、二人。僕達のことを着けている様です。」
Aの言葉に、二人は思わず立ち止まりそうになるが、さっき注意された通り、怪しまれないように、足を進める他無かった。
「じゃ、じゃあどうすればいいってんだよ…」
ロマーノの問いに、Aは素早く答える。
「僕が囮になります。あなた方は国ですから、逃げてください。」
Aは頭の中で…機械で言うところの、中枢部分で計算した結果、こうするのが一番妥当だと考え出したのだ。
「そんなっ…Aちゃんが…確かに俺らよりは防衛力あるかもしれないけど…」
焦る二人を安心させるためにAは微笑んだ。
「大丈夫です。僕はロボット。不可能なんてありませんから…」
「死亡フラグなんてたてんなよ…バーカ…。ま、お前を信じてみるぞ。」
「Aちゃん…。絶対に無事に帰ってきてよ?」
イタリアとロマーノはそのまま家路を辿り、Aだけ、くるっと踵を返し、来た道を戻る。
(僕の役目はお国を守ること。不可能なんてあり得ません。何があっても、僕が守りますから…)
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新月の団子(プロフ) - とても面白いです!続きのお話待っています!(о´∀`о) (2018年3月29日 20時) (レス) id: 3d5a1dcf59 (このIDを非表示/違反報告)
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