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「で、こーんな燃えてるこの建物に、何の用なの?」
その人は私よりも身長が高いせいか、どことなく見下ろしながら冷めた目で聞いてきた。
さっきも言ってたけど、バカだなこいつ、とでも思われてるのだろうか…
私としてはマジでお前誰状態なんだけど。
村では見かけない顔…ということは、コイツが海賊なのだろうか…
とにかく、何であろうとコイツに構っている暇はない。
「私の役目を果たしに来ただけ。…離してちょーだい。」
そう言うと、目の前のコイツは鼻で笑った。
「この中に入るって…アンタ死ぬよ?」
確かに、無茶かもしれない…。
ってか、うさぎのぬいぐるみなんて燃えて無くなってるだろう、恐らくだけど。
でも、これが最後かもしれない…
もう二度と、みんなと育ったこの家に来られないかもしれない…
それに、あの子と約束してしまったから…
取りに行くって…ね。
やれるだけのことはやってみよう。
「…死なない程度に頑張ればいいでしょ。」
「いーや、死ぬね。」
「死なない!」
「死ぬ。」
「死なないって言ってるでしょ!アンタに関係ないじゃん!!」
「あーもー…めんどくさいなぁ…」
目の前のソイツは若干キレたようだ。
何で私なんかにそんなに構うのだ…訳がわからない。
「はぁー?アンタに関係なっ!……!?」
関係ないでしょ、って言おうとしたんだけど…
全て言い終わらないところで首元に鈍い痛みを感じた。
直後、意識が遠のく。
「ちょーっと…眠っててね♪」
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作者名:モノクロアリス | 作成日時:2017年6月23日 10時