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「…っと、絆創膏を貼って……はい、これで大丈夫。」
安心させるようににこっと微笑む。
「わぁ…！ありがとう！Aお姉ちゃん！」
そう言ってその少年は駆け出した。
「また転ばないようにね〜！」
念のため声はかけておくが、恐らく聞いていないことだろう。
最近の子供は元気だなぁ…なんて、年寄りじみたことを思ってしまう。
「よっ、A」
「おー、真緒だ〜。お疲れ様〜」
背中に薪が積んである。お勤めご苦労。
「あぁ、さんきゅ。…お前は、村の子供に好かれてんな」
「んー…まぁ、私にはこれくらいしかできないしね〜」
少し苦笑いを浮かべて返す。
「そんなことないと思うけどな。…Aは優しいから。」
偉い偉い、と言いながら頭を撫でてくる。
真緒の手は私よりも大きくて、男の子だなぁって感じる。
いや、嫌いではない。むしろ安心する。
「そっか…ありがとう。……でも、子供扱いはやめてちょーだい。」
「おぉっと、そんなつもりは無かった。すまんすまん」
ははっと笑いながら手を下ろしている辺り、反省の色はない。
そんなこんなを話しながら歩くこと約５分。
私達はいわゆる、家に着いた。
「ただいまぁー」
家に入ると奥からドタドタと音が聞こえてきた。
「おかえりーっ！！！」
「おっとー、ただいまっ！」
向こうから走ってきたのはスバル。を私は受け止める。
いつものことすぎてさすがに対応に慣れてくる。
本当に年上かと思うくらいかわいらしい行動だ。目がキラキラしている。
「おかえり、衣更、A。」
あとから来たのは北斗。
「あれ、真は？」
「アイツはバイトだ。」
なるほど。
私は数年前からこの村の孤児院にお世話になっていた。
そして18歳にもなったので、自立ということで、今はこの家に5人で暮らしている。
特に不自由なく、言うならば幸せに暮らしている。
スバル達は私より２つ上だが、同い年のように接してくれるのはとても嬉しい。
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作者名：モノクロアリス | 作成日時：2017年6月23日 10時
