お願いです、日常を返してください。第二巻【妖怪松】

其の六十五 ページ37

石倉君と二人で…いや、正確にはトト子もいるんだけど、わざとかは知らないけど気配を消してるため、そんなに気にならない。


そう、二人で歩いてるんだけど、謎の沈黙。



まぁ、普段からそんなに話すタイプでは無いだろうけど…


「あ、あの…」



少し前を歩いている石倉君に声をかける。


「ん…何？」

「石倉君はさ、七不思議とか…知ってた？」



そう聞くと、曖昧な答えが返ってきた。


「七不思議…なのかは知らなかったけど、１つだけ…」

「そうなの？どれ？」

「あぁ。…七つ目の、みつあみさんの忘れ物なら。」

「あー、最後にみんなで集合しようって言ってたやつかぁ…。」



そのあと、また沈黙。

あー、こういう時、皐がいればなぁ…



そう思った時、ふっと何かが見えた。

否、見えたのだ。



セーラー服を着た女の子。たぶん、ここで死んだんじゃないかな…



「…はぁ。」


それなりに覚悟はしていたけど、やっぱいるよね…



「…なぁ、星宮ってさ…霊感強いのか…？」

「へっ？……えっ、いや、何で？」

「…いや、何でもねぇ。」



待って、バレた…？

え、でも今私ため息吐いただけだよね…？



まさか……いや、やめておこう。




そうこうしているうちに、目的の場所。音楽室に着いた。


七不思議二つ目、夜な夜な響くエリーゼのために

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