結果 ページ9
「……あなたの脳に、かなりの大きさの悪性腫瘍が見つかりました。」
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茫然とする僕たち。先生が何を言っているのか、一瞬わからなかった。
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「ここから先は、ご両親も一緒の方がいいと思うのですが……」
「……いえ、続けてください。」
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渋々先生が話を続ける。
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「この腫瘍は、極めて難しい位置にあります。しかもこれだけ肥大していては、手術で取り除くことはできません。何か予兆というか、症状が出ていたと思うのですが、お気づきになりませんでしたか？」
僕は心当たりが全くなかったけれど、彼女は流石というか、気になることがあるみたいで、震える声で話をしだした。
「そういえば……ここ１か月くらい、小さな頭痛が続きました。あと、ちょっとしたことを忘れたりとか。」
「ああ、それは完全に兆候が表れていますね。その頃からもう腫瘍はできていたと考えられます。」
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それは言われてみれば確かに、明らかな異変と言えるものだった。なのに、なぜ気づけなかったんだろう。
もっと早く気付くことが出来ていたら、そして医者に罹っていたら…… 意味のない後悔の中、二人のやり取りを聞いていた。
だけど僕は気になることが一つあり、どうしてもそのことを聞かずにはいられなかった。先生はその話を先へ先へ伸ばそうとしている気がしてならないのだ。
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「……先生、手術で取り除けないということは、助からないということですよね？」
「……そうです。」
「あとどれくらい生きられるのでしょうか？」
「……」
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診察室に静寂が訪れる。見ると彼女も震えながら、真剣な顔で先生を見つめている。
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「選択をすることができます。
まず一つ目。入院されてこちらの抗癌治療を受ければ、一年は生きられるでしょう。そこは保証します。
二つ目は、このまま日常生活を送られること。痛み止めなどはお出ししますし、通院治療も行います。ですがこちらは……
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……もって三か月です。」
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豆娘(プロフ) - にしさん» 遅くなってすみません。ありがとうございます、ありがとございます。もともと原稿用に書いていたので、こういうサイトのだと読みにくくなるかと懸念いたしておりました。嬉しいお言葉、本当に、本当に、ありがとうございます!! (2012年7月30日 19時) (
レス) id: 1e72e96e25 (このIDを非表示/違反報告)
にし - ヤバいです!!!涙腺がピンピンのはずの私が号泣しました；； (2012年7月5日 14時) (レス) id: 8cdf065869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆娘
| 作成日時：2012年4月20日 15時
