再会 ページ3
彼女に再び出会ったのは、それから僅か三日後の事だった。
ゼミの討論会のために論文を仕上げたかった僕は、お気に入りのカフェに寄った。人にはそれぞれ、このお店はこの席とかなんとなく決まっているものだけれど、僕もそれに漏れず、入り口から入って一番奥のカウンターで隠れる席が定番だった。
この日もカフェモカを注文してその席に向かおうとしたが、生憎先客がいた。それが彼女だった。
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「こんにちは、奇遇ですね。」
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顔を上げた彼女は、驚いたように少し目を見開いて、しかしすぐに読んでいた本に目を落とした。そのまま相変わらずの素っ気なさで答える。
「こんにちは。」
「お勉強？」
「いえ、急に講義が休講になったので、前から読みたかった本を消化しようと思って。」
「突然の休講は厄介だよね、予定が全部狂っちゃう。」
「本当ですね、今日の講義の内容をもとにレポートを書きたかったのに。」
「何の本を読んでんの？」
「……他愛もない恋愛小説です。映画化になったので、読んでみたくて。」
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なんだろう。前回より打ち解けてくれている感じがした。少なくとも今回の彼女の返事は、前みたいな一問一答ではない。些細なことだけど、それが嬉しかった。
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「……そこに立っていらっしゃると邪魔ですよ、座りませんか？」
彼女に促されたのは、彼女の向かいの席。足で椅子を引いて(押して？)くれる。促されるまま椅子に座ると、彼女はちょっと嬉しそうな顔をした……気がした。
そのカフェでの会話は、本当に他愛もないもので、彼女から帰ってくる言葉はやっぱり素っ気ないもので。傍から見たらただの知り合いくらいにしか思えないだろう。
だけれど僕たちにとっては、その会話こそが出発点だった。僕たちはその日にやっとメールアドレスを交換して、しばしば二人で会うようになる。
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豆娘(プロフ) - にしさん» 遅くなってすみません。ありがとうございます、ありがとございます。もともと原稿用に書いていたので、こういうサイトのだと読みにくくなるかと懸念いたしておりました。嬉しいお言葉、本当に、本当に、ありがとうございます!! (2012年7月30日 19時) (
レス) id: 1e72e96e25 (このIDを非表示/違反報告)
にし - ヤバいです!!!涙腺がピンピンのはずの私が号泣しました；； (2012年7月5日 14時) (レス) id: 8cdf065869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆娘
| 作成日時：2012年4月20日 15時
