鬼退治には黍団子が必須です。[鬼滅の刃]

＿ ページ12

―――――そして迎えた最終選別最終日。


Aは傷1つ追わずに下山した。






「A！」

「炭治郎！」






7日ぶりの再開がこんなにも嬉しいものだなんて、Aは思いもしなかった。






「Aの噂を沢山聞いたぞ！」

「そうなの？」

「ああ！桃の呼吸の使い手がほとんどの鬼を斬ったって」

「そうなんだ」

「ところでAは何歳なんだ？」

「14歳」

「え」






聞いた所、炭治郎は15歳だった。

そして、「俺は長男なんだ！」とも言った。






「凄いな、Aは。俺よりも年下なのに剣を握って」






ぽんぽんと優しく頭を撫でてくれる炭治郎。

なぜかわからないけれど、正体の分からない涙で視界がボヤケていった。






「よーしよしよし。沢山、頑張ったんだね。沢山、沢山…」

「炭治郎……っ」







今までの感情が一気に溢れ出たAの涙は、止まることを知らなかった。


今まで同年代に甘えることが出来なかったんだろうと思った炭治郎は、

Aを禰豆子や死んでしまった弟や妹たちと同様に可愛がろうと心に決めた。






「……落ち着いた？」

「…うん、ごめんね、炭治郎」

「大丈夫！俺は長男だから！」





謎の長男理論を聞かされた後、

これからの説明を聞いたり、採寸をしたり、玉鋼を選んだり。



"またね"が通用しない鬼殺隊で





「また会おう」





と固く手を握りあった2人のことを知るのは、2人の肩に乗った鎹鴉だけだった。

第二章　鬼の罪償い→←＿

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