閉じ込められて愛される、えちえちなお部屋【短編集】

アレをしないと出られない部屋【鬼舞辻無惨】 ページ8

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なんで、という言葉を言う前に、彼に口を塞がれた。



至極当然のように―――唇で。






「…っ、んーん!! ぁっ、…んぅっ」






舌が入ってきて…しかもそれが人間のものではないから、とても長くて、喉の奥までを犯 される。



痛いし気持ち悪い。最悪。嫌だ、怖い。





だって、今接吻されている相手は、私達の最大の敵―――鬼舞辻無惨なのだから。





「やぁ…やらぁ…! あ、んっ……やら…やめ、ぁう…」



「……は、っ…黙って私に従え。快楽に溺れるしか能がない愚か者め」






壁に押し付けられる。


腕は耳の横に、足は私の足の間に置かれていて、鼻先にある仇敵の顔に、途轍もない憤りを覚えた。






「はぁ、っ……何、する…の…」



「さあ? なんだろうな」






再度、深い口付け。



今度は歯列や上顎をなぞり、一つ一つ丁寧に口内を蹂躙する。




濃厚で、優しい接吻に溶けそうになる理性を、どうにか保つ。





でも、もう少し。



もう少し強い刺激があったら、きっと…駄目になる。





耐えなきゃ。憎き鬼に絆されてたまるか。









「……随分と、愛らしい顔をするのだな」









耳に熱い息が掛かる。



手がスルリと下がっていって、隊服の釦を外した。




驚いて肩を押し返そうとするも、それは叶わない。



逆に両手首を掴まれて、頭の上で壁に押さえつけられて抵抗できなくされる。





ぷつり、ぷつりと釦は外されていき…しばらくすれば、胸を露わにされてしまう。




意思とは反対に、硬くなって存在を主張してしまうソコを、鬼舞辻は口に含んだ。






「ひ、あッッッ〜〜〜〜〜〜!!!!」



「どうした。……果てたか?」



「やだ、見ないで…やだぁああ……!!」






顔が情けなく歪む。



身体の底の方から溢れてくる快感が、途轍もなく気持ちいい。




嗚呼、鬼なんかに…やだ、なんで……



なんで、女なんかに生まれたんだろ。






「……ひぐっ…ぅぁああああ……!」






涙が溢れて止まらない。



だが、それさえ愛らしいと思うようで、涙を舐め「甘い」と嬉しそうに呟く。






それとほぼ同時に、またカチッと音がした。






「……ふん、これで終わりとは…残念だったな、娘。








次会った時は…最後までやる、と覚悟しておけ」









鬼舞辻が去っていった扉には『アレをしないと出られない部屋』と紙が貼ってある。



嗚呼、確かに…ここまでで、残念…






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