第29話 不可能 ページ31
一方でミストレは、ベンチにいるAを見つめていた
それに気づいたAがベンチからこちらへ駆け寄ってくると、思わずミストレもそちらへ向かう
ミストレ「キミが言ってた、“心”の意味……こういうことだったのか」
その言葉にニコリと微笑むA
貴「貴方は、本当はとても優しい人。だから自分を閉じ込めないで…もっと自由に生きていいんだよ。それも一つの強さなんだから」
ミストレ「!」
貴「あんな冷たいサッカー、貴方には似合わないよ。今度はもっと楽しそうにサッカーをする貴方が見れるといいな」
そう言ってまた、Aは微笑んだ
ミストレ「……ミストレーネ・カルス」
貴「へ?」
ミストレ「それが、俺の名前」
貴「!……ミストレーネ・カルス……貴方の、名前……っミストレ!」
ミストレ「?」
貴「ありがとう」
ミストレ「は…?」
お礼の意味が分からず、唖然とするミストレ
貴「また、会おうね」
ミストレ「…それは不可能だ」
貴「え…?」
ミストレ「俺達の出会いは、本来の歴史には存在しない。だから俺達がここから消えた後、歴史は元の記憶に塗り替えられ、次期にこの試合の記憶もろともなくなる」
貴「そ、それ、って……ミストレの事も、忘れちゃうって事なの…?」
ミストレ「ま、俺達は忘れないけどね」
貴「そんなの嫌だよ…!!せっかく、名前も……知れたのに…っ」
俯くAを見て、ミストレは溜息を一つ
そして
ミストレ「A」
初めて、彼女の名を呼び
貴「……!!」
顎に添えた手で顔を上げ、その頬に自分の唇を優しく当てた
ミストレ「泣くなよ、バーカ」
Aの目から流れる涙を、指で拭う
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鈴松信@違反報告する時は声かけてね(´;ω;`)(プロフ) - うわぁぁぁぁ、これは…なんとも切ないぃぃぃ…めちゃ感動しました!(´;ω;`) (2018年12月9日 12時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
raku(プロフ) - めちゃくちゃ好きです...!ありがとうございました!! (2018年7月26日 14時) (レス) id: 77cb868258 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(プロフ) - ミストレの小説もっと作ってほしいです! (2018年6月9日 0時) (レス) id: 7cbd7746b4 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(プロフ) - めっちゃ面白いです! (2018年6月8日 0時) (レス) id: 7cbd7746b4 (このIDを非表示/違反報告)
Fukumin - とても最高な小説でした。゚(゚´Д`゚)゚。また、こういう小説を書いて欲しい(´・ω・`) (2018年5月15日 18時) (レス) id: b430bf22da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マシマロ王子♪ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/masipage/
作成日時:2018年4月29日 19時