16話 ページ17
Aはシーナが来るまではいつも遊び相手を探し過ごしていた。
が、最近はみんなAのことは忘れシーナに構う。つまるところ暇だった。
今日もひとり、ぼーっと海を見つめていた。
「そんなところにいちゃあ危ないぜ、お姫様」
「イゾウだ」
不意に声をかけられ振り向くと、そこにはイゾウの姿が。
イゾウはどうやらシーナに興味がないようで、いつも通りだった。
「何してんだ？」
「何にも。海を見てるの。ひとりの時はよくやってるよ」
Aはなんともないように言った。
そう、Aは兄たちを取られて悲しむでも起こるでもなく＿＿別にどうでも良かった。
Aは兄たちが好きだが、独占したいとは思っていなかった。
「寂しいことを言うじゃねぇか」
「そう？」
パチパチと不思議そうに大きな目を瞬かせるAの髪をさらりと撫で、イゾウは仕事へと戻って行った。
と、思うAとは裏腹に、シーナの方は。
「なんなの、あの女！！私がこの船のお姫様になると思ったのに！」
くらい船内でひとり地団駄を踏む。
シーナはいわゆるハーレム願望の持ち主だった。いや、この場合は逆ハーレムか。
退屈で島を飛び出し、小舟で航海する事3日。食料が尽きかけた頃、遠くの方に大きな船を見つけた。それが白ひげ海賊団だったのだ。
かっこよくて、権力がある白ひげ海賊団にちやほやされたい……
そう思ったが吉日。隙をついて船に忍び込んだ。
そして、現在。シーナの計画はうまくいかなかった。理由は、A。
この船の男たちはAが好きすぎる＿＿＿＿＿なかなかシーナだけを見ようとしない。
「こうなったら、潰してやる＿＿＿」
ぽつりと呟いた言葉は、誰にも届かず消えた。
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ピーちゃん - とても面白くて愛らしかったし (2022年10月28日 20時) (
レス) @page42 id: e9f23f5dc7 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - ３４５回も会議やっての笑った!!!めちゃ面白い!!!これからも頑張ってください!!! (2022年10月13日 12時) (レス) @page37 id: 407d8a27ca (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - tottemo_ringoさん» ありがとうございます！！夢主ちゃんはわがまま末っ子気質なもので困りますね笑好きになっていただけてとても嬉しいです…！優しいお言葉とても力になります！ (2022年8月22日 0時) (レス) id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
tottemo_ringo(プロフ) - 今日初めて読みました。最初は主ちゃんに対して、なんやこの子！めっちゃわがままやんけ！といい印象ばかりではなかったものの、期待し読んでいくうちに完全にオチました。主ちゃんの性格と、周りの関係や反応がとても好きです。無理せず、更新お願いしたいです！！ (2022年8月9日 3時) (レス) @page37 id: 4137b5ba4e (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - みなさま大変お久しぶりです。長い間こちらの作品を放置しておりましたが、最近になってちょっとだけ書きたくなって戻ってきました。今後続けて連載していくかは未定です。書きたくなった時だけ書きます。あまり期待せずに暇つぶし程度に見てくださると嬉しいです。 (2022年8月6日 20時) (レス) @page36 id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2019年8月18日 18時
