5話 ページ6
太宰さんをマフィアから追い出したいと言っても、何をすれば出ていってくれるんだろ。
単純に「出て行けー」とか言えない。立場的にも、個人的にも。
太宰さんがマフィアを自主的に出て行く環境を作るか、私から「出よう」というしかない。
ハードル高っ!
そんなことをブツブツ言いながら歩いていると。
「貴様、今日はいつもに増して様子がおかしいが、何かあったのか」
『別に何にも』
……ん?
『いつもに増してって何!?』
「ほら、普段ならこの手の悪口にはすぐ反応する。にもかかわらず、今日は反応が遅い」
芥川さぁん……
可愛い←
「先刻から太宰さん太宰さんと呟いていたが、あの方がどうかしたのか」
『え、聞こえてた?』
「太宰さんという単語のみ聞き取れた」
良かった……じゃなくて!
『太宰さんだけ聞き取れるって、流石』
「何がだ」
『いやぁー別に?』
泣ける、可愛い。これからのことを考えると更に可愛い。
『私これから仕事があるから、じゃあね』
「……気分が優れないのなら休め」
なんだ、優しいじゃん。
『うん、ありがと』
「なあA、もう帰って良いんだぞ?ボスに言われたんだし、遠慮なく休めよ」
『そう、ですね……じゃあ帰ります』
「おう、今車出してやる」
中也さんに家まで送ってもらった。
トリップしたての頃は中也さんの車というだけで興奮していたけど、今はもう普通だ。
慣れって怖い。
『ありがとうございました』
「しっかり休めよ、ミミックとかいう組織の件は終わったが、他にも厄介ごとは色々とあるんだからな」
『はい』
さて、ゆっくり作戦でも練りますか……
と思ったものの、あの太宰さんを誘導する策なんて考えつく筈もなく。
『あーどーしよー!』
ベッドの上でバタバタと暴れまわる。
結局、その日はひたすら頭を回して太宰さんの誘導策を考えたけど、1つも浮かばなかった。当然だ、マフィアに居るとはいえ唯の元女子中学生の私が、どうやって最年少幹部を騙そうというのか。
ボスは太宰さんを追い出したいだろうから、協力しようかな……
いやでもそしたら理由を聞かれる。あの人のことだ、嘘ついても絶対バレる。却下だ。
私1人でなんとかするしかないじゃん……
これからの日々が不安になってくる。
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ああ - うーーん。 (1月13日 11時) (レス) @page24 id: b494e7f131 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - そうだったんですか!大丈夫ですいつでも面白い話待ってます! (2018年10月1日 17時) (レス) id: e8ca853bb3 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - サクラさん» 読んでいただいてありがとうございます。大変申し訳ありませんが、やつがれちゃんの方は諸事情により公開を一旦やめておりまして……すみません (2018年10月1日 17時) (レス) id: 19604f2ea5 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - いつも面白い小説見てます!あのやつがれちゃんで暗殺教室のパスワードがかかってて分からないんですが教えていただけませんでしょうか (2018年9月22日 0時) (レス) id: e8ca853bb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風寧 | 作成日時:2018年4月7日 16時