【SVT】key. (ページ35)

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「よし」

身支度を整えて出勤。今日は12月30日。

ジスの誕生日。だからと言って約束は出来なかった。

前もってスケジュールを教えてくれたけど
今日、彼は仕事。

「いらっしゃいませ、ご注文は…」

今日もいつも通りに仕事をしていく。

店長にはこの前のクリスマスはありがとうと
深々とお礼をされて

「休憩、行ってきていいよ」

「ありがとうございます」

まだまだ仕事が続くんだけど
急遽、他のスタッフさんが出れなくなってしまって
そのまま夜までやる事に。

「日付…変わらなければいいな…」

休憩中に携帯で時間を確認していたら

「わっ…もしもし」

=あっ出た！=

「え？！あれ？」

=Aちゃんだよね？=

「はい…ジョンハンさん？」

=正解！=

「あの、この番号…」

=この前の時の名刺、拾ったの=

「あー…それで。
で、何かありました？」

=今ってなにしてる？=

「仕事の休憩で…」

=何時まで？=

その後、時間を何なく伝えると
そっか…って悲しそうな声。

多分、ジスの誕生日だしって
気を遣ってくれたのかもしれないけど
このまま行くと日付は超えちゃいそうだし
今、メッセージを送ると早すぎてしまう。

=仕事、気をつけてね？=

「大丈夫です。ありがとうございます」

=…シュアと話す？=

「…辞めておきます」

=そっか。わかった=

いきなりかけてごめんね。って
優しく言われて切れた電話。

待ち受け画面になった瞬間に
ジスと話せばよかったと後悔した。

今、ジスにかければ多分、出るはず。
でも、今声聞いたら…