【SVT】key. (ページ1)

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「えーっと…」

慣れない異国の地ではあるが
今、私は携帯で地図を見ながら歩いています。

なんとか辿り着けると思って目的地に向かう中
辺りは暗くなり始め寒さが増していく。

「あれ…どこだろ」

前を見ていなかった私が悪いんだけど
すれ違った人と肩がぶつかった。

「ごめんなさい…」

JS「大丈夫ですか？」

「あ、はい」

まだまだ片言の韓国語…通じてるのかも
わからない。

JS「気をつけてね」

「あ、あの！」

JS「ん？」

何かの縁だと思って目的地の場所が表示されている
携帯を見せると

JS「ここに行きたいの？」

「はい」

JS「ここって…」

って携帯を覗き込みながら話してくれてるこの人は
目元しか見えていなくて…

JS「僕、近くまで行くから一緒に行く？」

「でも…」

JS「大丈夫、安心して」

そう言うと彼はどこかに電話をかけ始めた。

JS「あ、ジョンハナ？
今ちょっと、道に迷った人がいて…うん、うん、そう」

確かに、ジョンハナって…
後は、早口すぎて聞き取れなかった。

JS「お待たせしました。行きましょうか」

「はい」

着いていくのは怖いけど
もうこのチャンスを逃したら凍えて
大変なことになる。

そう思ったら着いていくしかなかった。

JS「韓国は初めて？」

「いえ、旅行とかでは来たことが…」

JS「今回も？」

「違うんです。住む事にして…」

JS「あー…それで」

「ん？」

JS「いや、ここってマンションだから」

「あ、はい」

多分、私が外国人だとわかってくれてなのか
ゆっくりと話してくれてるのがわかる。

これくらいなら聞き取れる。

その後は、どんな物が美味しいとか
本当に他愛もない会話をしたまま
目的地に着いた。

JS「着いたよ」

「ありがとうございました」

JS「じゃあ」

「え？あの…」

JS「ん？」

「僕もここだから(笑)」

開いた口が塞がらない。とはまさにこの事。

JS「何階？」

「1階です…」

JS「じゃあ、またね」

「ありがとうございました」

深々と頭を下げてやっと家に着いた。

「はぁ…やっと着いた…」

彼がいなかったら今頃…

とりあえず、寝れる準備だけして寝よう…

「明日から片付けよ…」