３０４話# 俺の時間 ページ38
〜修也side〜
クリーム色の壁にグレーの屋根。
街灯に灯された家が見えた。
Aの家。
俺の時間がもうすぐ終わってしまう。
そんな想いもよそに玄関の前に着いてしまった。
A「...着いた」
修也「...ああ」
A「送ってくれてありがとう」
修也「夜も遅いんだ、当然のこと」
A「じゃあ、またね(微笑)」
一瞬微笑んだ彼女。
すると俺の視界の隅で、何かが動いた。
グイッ
A「っ！」
修也「...」
敷地内に入ろうとした彼女の腕を、とっさに引く。
俺の方へと引き寄せていた。
硬直した彼女の足元を、何かがすり抜けていく。
修也「...ネコ(ボソ)」
A「あ、ほんとだ」
軽く掴んだままの腕から、体温が伝わる。
もう少しこのままでいたい。
俺は心の中で、ネコに「もっとゆっくり通れ」とすがっていた。
ただ、そんな勝手な想いがネコに届く訳もなく、ネコはスタスタと行ってしまう。
呆気に取られてネコを見つめていたAは、やがて笑いをこぼした。
A「危ない。ネコ踏んじゃうトコだった。ははは」
修也「...」
A「ありがと(微笑)」
これで本当に今日という日は終わりだ。
言わなくちゃ。
「じゃあな」って、言わなくちゃ。
頭では分かっているのに...
出てきたのは違う言葉だった。
修也「A。また会ってもいいか？」
３０５話# その言葉の意味→←３０３話# 最初に秘密を持ったのは...
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ノコ(プロフ) - 再開、嬉しいです。ななっちさんの作品はどれも心に染みます。ありがとうございます。大切に読ませていただきます。 (2020年5月27日 1時) (
レス) id: a7f52ab7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - Lakeさん» こちらこそありがとうございます〜 (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございます！ (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
Lake(プロフ) - 更新ありがとうございます〜！ (2020年5月26日 20時) (レス) id: 7e7ce81c15 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - おかえりなさい (2020年5月26日 20時) (レス) id: 87b01b0a04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななっち
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trhthe/
作成日時：2018年2月14日 23時
