279話# 台風が過ぎるまで ページ13
A「台風の影響が弱まるのは明日だって。だからそれまでうちにいるといいよ」
修也「すまない」
そろそろ、聞かれるかな。
修也「それより、何故ヒロトや緑川と?」
A「シェアハウス。シェアだとお互いに効率が良くて」
修也「大学はこの辺なのか」
A「ヒロトと同じトコ。修也は?編入って聞いたけど」
もう、あたしのことは何も聞かないで。
修也「ああ。千葉県の大学に通っていたけど、今年の4月に編入したんだ。まさか緑川が通っていたとこだとは思わなかった」
A「緑川、1年間北海道にいたからね。でも何で編入?」
修也「前の大学は、俺にサッカー部にできる限り専念してほしいっていう大学側の意向が強かったんだ。練習メニューも多くて、スポーツに関する勉強がなかなかできなかった」
A「そっか。修也がチームの要となれば、成績も上がって学校の名も上がる」
修也「まあ、そういうことだ。それに比べて今の大学はけっこう自由にサッカーができているんだ」
A「そうなんだ、よかった」
修也が一番やりやすい環境でサッカーをしていてくれることが、何より大事なこと。
A「...プロに、なるんだもんね」
ちらりと後ろを振り返る。
すると修也が少し微笑んだ。
修也「ああ、大学を卒業したら、プロになるんだ」
うん。それでいい。
それが、修也が進むべきサッカーの道。
あたしが精一杯応援した彼の道だ。
・
〜豪炎寺side〜
パソコンのキーを打ち続ける彼女の背中。
窓の外から響いてくる雨の音。
心地よいリズムたちが交わって行く。
再び薄暗くされた部屋の中で、灯っているのは夜用の蛍光灯とパソコンの光のみ。
毛布とソファの間に挟まれたまま、俺はまた横になっていた。
修也「......」
先ほど交わした会話じゃ足りない。
彼女に聞きたいこと、それはもっとたくさんある。
だけど熱でうなされているせいもあり、頭があまり働いてくれない。
台風が治まったら、俺は帰らなきゃならないんだよな。
いつまでも迷惑をかけるわけにいかないんだ。
ぼんやりとしながら、俺はまた眠りについた。
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ノコ(プロフ) - 再開、嬉しいです。ななっちさんの作品はどれも心に染みます。ありがとうございます。大切に読ませていただきます。 (2020年5月27日 1時) (レス) id: a7f52ab7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - Lakeさん» こちらこそありがとうございます〜 (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございます! (2020年5月26日 20時) (レス) id: 6b7ac9b579 (このIDを非表示/違反報告)
Lake(プロフ) - 更新ありがとうございます〜! (2020年5月26日 20時) (レス) id: 7e7ce81c15 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - おかえりなさい (2020年5月26日 20時) (レス) id: 87b01b0a04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななっち | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trhthe/
作成日時:2018年2月14日 23時