健人担ですけどなにか？ Fuma.K (ページ40)

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「やっと開けてくれたよ。

Aちゃんおいでって言ったのに1回も来てくれないんだもん。」

『私だって忙しかったんですー。

ってちょっと勝手に上がらないでよ！！』

「いいじゃんいいじゃん。」

そう言って私の部屋にズカズカと入ってくるきくち。

やめてよ、部屋汚いから。

それに…

「お前中島ポスター貼りすぎ。」

はい、速攻でバレました。

そりゃそうですよね、この部屋どこ見ても健人くんがいるんですもん。

でも、さすがにこれを見られるのは恥ずかしい…

「てか、俺全然いなくない？5人のやつとかもっとあるでしょ。」

『この限られたスペースに貼るんだもん。
そしたらできるだけ健人くんの面積多くしたいもん。』

「こんなに中島いたら恐怖だろ。」

『失礼な。怖いとか言うなら帰ってよ！』

「やだ。

てか俺だってお前の部屋の中島見るためにここに来たわけじゃないのよ。」

『じゃあなんのために来たの？』

「遊びに行こうと思って。」

『は？』

「Aちゃんたぶん最近夏休みなったばっかりでしょ？普段の息抜きってことでドライブでも行こうよ。」

『え、私はDVDを見る予定だったんです。

1人で行ってよ。』

「お前とだから一緒に行こうとしてるの。

早く準備して。」

『えーー。

ならDVD一緒に見ようよ。』

「やだって。

あ、そのDVDの初回限定盤持ってる？」

『持ってないけど…？』

そうこれは通常版でいいやってあきらめたんだよね。

「あげよっか？」

『え！？本当？』

「うん、俺の言う通りにしてくれたら。」

『んー。』

欲しい！心の底から欲しいって言ってる。

だけど物で釣られるようなちょろい女にはなりたくない…

「ふーん、欲しいんだ。顔に欲しいですって書いてあるよ。」

『そんなことない！』

「素直になりなって。」

全てわかってるぞみたいにニタニタ笑うきくち。

『う～ん…

もう！行くから絶対ちょーだいね！』

「ふっ、押しに負けたな。

まーいい、じゃあ準備して行くぞ。」

勝ち誇ったようなその顔。

あー憎たらしい。