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「なぁ、俺のファンサはどうだった?」
『あー、それ私だと思わなかったんだよね。』
「は?」
『隣にあなたのファンが居たから、てっきり隣の子にしたのかと。』
「まじで?」
そう言いながらため息をつくきくち。
え、私悪いことした?
「せっかくしてあげたのに。」
『なにその上から目線。』
「俺は嬉しかったんだよ、Aちゃん見つけられて。」
『なんであんたが私見つけて喜ぶのよ。』
「だってこれってすごい奇跡じゃん。
たまたま同じマンションに住んでて、たまたまAちゃんがコンサートで良い席にいて、それで俺がたまたまAちゃんみつけて、パって見たら目合うって、もうこれは運命でしょ。」
『確かに、すごい確率だけど…』
「だけど?」
『だから何?』
「・・・
え、ないわーお前。ありえない。
ここはときめいて俺のファンになるところだろ。」
『え?なんで私がきくちのファンにならなきゃいけないの?
あはは、想像したら笑えてきちゃった。ふふふっ。』
ダメだ、笑い止まらない。
『私が風磨♡とか言ってるなんて絶対ありえない笑』
「はぁー、ひどくない?
お前の中の俺の価値ってまじなんなの。
俺が中島だったら絶対喜んでたでしょ。」
『うん、もちろん!
健人くんだったら運命ってだけでキャーってなって結婚する。』
「お前、中島のことになると頭お花畑だな笑」
『別に健人くんに夢を抱いてるんだからいいでしょ。』
「はいはい。」
あきれたような目で見てくるきくち。
別にいいもん。慣れてるし健人くんのこと話しすぎて引かれるの。
『もう帰るね、話終わったでしょ。』
「まだ帰ること考えてたの?
全然居ていいんだよ。夜ご飯だって食べてけばいいし、なんなら泊まってってもいいよ。」
『なにそれ、きもい。
いくらきくちだからって男の家にずっといるのは無理。』
「そんな素直に言うなよ、傷つくだろ。」
『とにかくそういうことだから、バイバイ。』
「そこまで帰りたいなら諦めるけどさ。
その代わり今度また暇だったら来てよ。」
『あー、うんうん。』
たぶん行かないけど適当に返事をしておこう。
あっちだって社交辞令で言ったんだろう。
『じゃーね。』
そう言って私はきくちの家を出た。
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フクフクがかり(プロフ) - とても面白いです!更新まってます! (2018年7月5日 16時) (レス) id: d2823985a1 (このIDを非表示/違反報告)
hiyo - サイコーーーー (2018年5月23日 20時) (レス) id: b9bc295153 (このIDを非表示/違反報告)
ふま - 更新楽しみ! (2018年5月5日 4時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2018年4月29日 7時) (レス) id: e42b9a9f74 (このIDを非表示/違反報告)
なな - ふうまくーん!! (2018年4月16日 20時) (レス) id: b8ea8cbed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆかたん | 作成日時:2018年4月11日 9時