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隣の彼女に聞こえないように口の端から溜め息を漏らす
年齢差なんて遠い昔に割り切ったはずなのに
再び同じ事柄に苛まれて、胸に重しが乗っているような感覚をまた覚えるのだ。
『よし決めた』
運転席の彼女がそう呟いて、ハンドルを切る。
そうすれば当然車体は方向を変えて、進み出す
進んでいく車、移り変わる景色に思わずあれ、と声を漏れた。
車が進んでいく道は行きとはまた違う道そんな予感がして…
でも確証は持てなくて試しにカーナビを見れば予想通り、表示された帰り道から逸れている。
無機質な音声が、道を間違えてることを指摘するが
その音声が流れ終わる前に彼女が電源を切った。
そして此方を横目で確認する彼女と目が合う、にやりと形の良い唇が持ち上がる
『寄り道しよ』
‐
『川だーーーーー！！』とバンザーイとしながら楽しそうにする司ちゃん。
彼女の寄り道をしようというお誘い(半ば強制)に乗って約10分といったところか。
辿り着いたのは山紫水明と言う言葉がピッタリな場所。
四方を山に囲まれ、その合間をぬってさらさらと流れる水。
川のせせらぎが耳に心地良く、光を反射した水面がガラスを撒いたように煌めく。
常に聞く車や雑踏なんてその片鱗さえ無く代わりに鳥の鳴き声が耳に届くような、そんな穏やかな場所。
「…良いとこだね」
『でしょう？夏になると人で溢れかえるんですけど
この時期に来る人はほぼ居ません。それに…
ご覧下さい、電波が入りません。』
「マジじゃん！！」
向けられたスマホの画面、電波のとこにはバツ印が入っている。あんな交通量の多い道路からそう大して離れていない距離で電波は入らないとは…恐れ入った高知
『ここ好きなんですよ
人来ない、電話系統繋がらない、車もほとんど通らないから
心ゆくまでぼーっとできる』
まぁいつの間にか日が暮れちゃって遅いってオトンに怒られるんですけど、とけらけら笑う司ちゃん
「確かに司ちゃんならやりかねないw」
『おっ喧嘩ですか言い値で買いますよ？？』
「遠慮しときまーす」
追い掛けてくる素振りを見せる彼女にやべ、と背を向けて距離を取る。
とは言っても足場が悪いからお互いに走ったりはできないのだけど。
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愛夢(プロフ) - 紀章さん好きには堪らない作品ありがとうございます!!更新頑張ってください！ (2023年2月6日 18時) (
レス) id: 1fb4caaf97 (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - Yuiさん» Yuiさん、返信大変遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます！マイペースに更新しているのでまた覗いて頂ければ幸いです(*^^*) (2022年2月6日 20時) (レス) id: 1b7127d9e3 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 紀章さんファンなんで小説を作成してくれてすごい嬉しいです！続きを楽しみにしてます！ (2022年1月16日 13時) (レス) @page5 id: 3c14c8fbd4 (このIDを非表示/違反報告)
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