らくだい魔女と幼なじみの約束 part7

約束 ページ36

フウカside

ア「フウカっここっ！」

　大きな門の前で大きく手を振るアリスとユウ、そしてアサヒの姿を見つけて、あたしも手を振り返す。

　先行ってたんだ。アリスたち。

　あたしたちは走ってアリスのところまで行くと、ナイスタイミングとユウが言った。

ユ「ちょうど馬車が来たところだ。」

フ「あ…。」

　ユウの合図で上を見上げれば、現れたのは2台の馬車。

　白い綺麗な馬がパカパカと音を鳴らして地面に降り立っていく。

　そしてあたしたちの前で優雅に止まってお辞儀をした。

　え、馬がお辞儀っ！？って驚いたよね。

　でも、アリスによればこれは当たり前の事らしい。

ア「あはは、かわい〜♡もっと顔をよく見せて〜っ。」

　そう言ってアリスは馬の顔を一匹ずつ撫でまわしている。

ア「…私の友達なの。無事に家まで送ってあげてね。」

　それにウルッときてしまったあたし。

　アリスはホント優しいよね。

　すると振り返ったアリスはハイッと言って何やら大きな袋を手渡してきた。

フ「何これ？」

ア「それ、白の国の有名なお菓子『モントローム』っていうクッキーなの。白の国の高級お菓子で、お土産に今大絶賛なんだ〜っ！」

　ちなみにこれ買ったの、ユウだからと笑うアリスにユウは肩を落としている。

　あは、あたしと一緒だ。

フ「ありがとーっ！アリサちゃんとかルカちゃんとか…とにかく皆に配っておくねーっ！」

　そう言って思い切り笑った時。


　「…フウカっ！」


　バッとあたしに抱き着いて離れないアリス。

　…いきなりだからビックリしたじゃんかもう。

　でも、いつものように笑って冗談が言えない。

ア「…まだ、カリンと…チトセ君と、クラスの皆と、フウカと一緒にいたかった…。」

フ「…そんなの、あたしもだよ…。」

　視界が急速に曇っていって、瞼に重みを感じた。

　でも。

　アリスの肩に目を押し付けて涙を拭きとる。

　服濡れちゃうけど許してね。

　すぐに顔を上げてアリスの肩を持って離れた。

フ「っでもまた会えるよっ！ほらっ！約束。絶対会おうね！」

ア「フウカ…。」

　そう。決めつけるのがおかしい。

　一緒にいたかった？一緒にいられるよ、これからだって。

　アリスが会いたいって言ったら飛んでいくつもりだし。…あたしが会いたいなって思っても飛んでいくし。

　とにかく絶対会える。

カ「また、会おうね。わたしも約束する！」

　三人で固く握手をして…あたしたちは馬車に乗り込んだ。

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