らくだい魔女と幼なじみの約束 part7

とぼけるなよチトセ ページ18

フウカside

　あたしはシンと静まった空気を解くためにわざと明るい声を出した。

フ「あーっ！そーそーっ！」

　そう言って足を止めて振り返る。

　そして、一番後ろでボーっと外を見つめるチトセにビシッと指をさした。

チ「俺？」

フ「アンタ以外誰がいんのさ。とぼけるなよチトセ。」

　険しくさせたチトセを見て、ふふんと決め顔を作る。



フ「アンタ、さっきのご飯の時あたしのケーキとったでしょーっ？」



　でしょーでしょー…とエコーのかかる廊下。

　目を点にする皆。

　その内、皆と違う反応が二名。

　焦るあたしと怒りマーク百個ぐらい付けたチトセ。

　…分かるよ。あたしを怒鳴りたい気持ちはよーく分かってますよけどねっ！

　お願いチトセ、分かってくれ。

　ジッとチトセを睨みながらも、心の中では焦りまくり。

　一生のお願いだから、空気読んでよーっ！

　心で叫んでいると、隣ではぁとため息が聞こえた。

　ハッとして見れば

チ「…バレたか…。」

　と膝を折ってがっくりと肩を落とすチトセ。

あ「なんやお子さまやなぁ。ケーキでごときでそんな言う事か？苦労するなぁお前。」

フ「ゆーわよ当たり前じゃんっ！ケーキだよ？食べたかったのにーっ！」

ユ「…ホント食べ物にしか興味ねぇんだな。」

ビ「フウカちゃんはそーいう子だから…。」

カ「そ、そうよぉ。そこがフウカちゃんのいいところじゃない。」

か「フウカをかばう事なんてないんだって。」

　必死にビアンカちゃんとカリンがフォローする声が入るけど…まぁ大半は呆れている。

　その隣であたしはチトセともめる。

フ「何でよーっ！あたしの大事なケーキだったのにーっ！」

チ「ケーキにお前はどれだけ命かけてんだっ！」

フ「もし命かけてたとしたら、あたしは今頃チトセのお腹の中だよーっ？分かってんの！？ケーキの大事さを分かってよ！」

チ「ケーキに謝れ。お前に命を懸けられたケーキがかわいそうだ。」

フ「どーゆー意味っ！？」

　そう言い合いながらチラッとアリスとユウの方に視線を動かす。

　アハハと笑うアリスと、だから空気読めとアサヒの頭を叩くユウ。

　…良かった。元気そうで何よりだ。

　確認してすぐにバシッとチトセの腕を掴む。

チ「何だよ…「あたしちょっとチトセにケーキおごってきてもらうから、先戻っててねーっ！」

ア「え、気を付けてよーっ？」

　そんな声を後ろに聞きながら、あたしはチトセを連れて走って廊下を駆け抜けた。

嘘、ついちゃった☆→←お別れ

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