わたしは… ページ7
アリスside
ア「あ〜、ねむ〜い…。」
ふわりと一つ、大きなあくびをかまして目をこする。
雲一つない快晴、暑くも寒くもない清々しくも穏やかな天候に思わず笑みが零れた。
こんにちは!私、アリス。
え『出だしがバカっぽい』って?へっへー、見た目で決めてもらっちゃ困るんだな。
こう見えまして私、一応『白の国のプリンセス』。国を任された王族の一人なんだ!
ハイ。ここで白の国について少し解説。
白の国…別名『妖精の国』とも呼ばれている光で富んだ美しい国。
その名の通り、国の人たちには透き通った羽が付いていてとっても綺麗なの。
ただ、王族である人には羽がついてないらしくて…故に私にも羽はついていない。
この白い髪と瞳が白の国の者である証拠で、髪は私の自慢なの!
私が白の国を出て、ここ『エリニュス大陸』へ遥々やってきたのには深い理由がある。
もっとゆっくり遊びたいし、じっくり味わいたいけれど…
—————今の私にそんな時間の余裕なんて、ない——————
窓に掛けた手にグッと力を入れて真っ青な空を見上げる。
その時、外から聞き覚えのある声が聞こえた。
「おーい!行くぞ!」
ユウ。私と一緒の白の国から来た幼なじみ。
どことなく振りまかれた人懐っこい性格と優しさは彼の好感度を上げていて、影響からか腹が立つことに『大抵』女子に囲まれている。
全く、羨ましい限りだよね!
そんな彼、さっきも言った通り私の幼なじみで、昔からずっと一緒。
昔の記憶なんて定かじゃないけど、いつも近くにいて私を守ってくれてたんだよね。
私とユウの記憶にはないけど「アリスの王子になる!」なんて恥ずかしいことも言っていたらしいから、世の中何があるか分かったもんじゃない。
…今じゃ守るというか、ただ隣を歩くロボットみたいな奴なんだけども。
こっちを見上げて少し不機嫌そうなユウを見続ける中、眩しい太陽が燦燦と降り注いでグレーの髪がいつもよりずっとキラキラして見えた。
ア「ハイハイ、今行きますよーっと。」
ひらり手を振り、ドアを開けてキシキシと軋んだ音を立てる階段を駆け下りる。
…今は楽しまないと。向こうに戻ったら嫌でも現実が待ってるんだから。
ギュッと唇を噛みしめ、玄関のドアを開いて笑顔でユウに声を掛けた。
ア「おはよっ、バカユウ!」
ユ「…んだよソレ。」
さぁ新しい学校、楽しみだなーっ!
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爽(プロフ) - お久しぶりです元・ケイの爽です。お陰様で40,131 hit頂いております、いつもありがとうございます((これからも宜しくお願い致します…! (2021年5月19日 21時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 皆さんお久しぶりですケイです!!なんと35.498hit頂いております。非常に感激です。これからもご贔屓の程よろしくお願い致します。 (2020年7月13日 17時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございますっ!!!!本当に嬉しいです! (2020年5月22日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - お待たせしました。「イベント参加者様の作品をアドバイスさせて下さい!」と言う作品に書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです!それと、右の☆をポチらせて頂きました。 (2020年5月22日 15時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - アイリさん» ありがとー!ちょーうれしいです♪更新が遅くなってしまう日もありますけど…これからもどうか見ててくださるとうれしーですっ! (2018年10月3日 18時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2018年8月22日 21時