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花火が終わってもまだ私達は、柵に体を預けたまま川の方を眺めていた。

テーブルに置きっぱなしのビールは、放置され過ぎて、きっとぬるくなってるはず。

「正直言うと、自分でも信じられないんだけど。
自分が結婚するとか。
しかも、自分が結婚したがることにも。」

「やっぱり、結婚って興味ない感じだった?裕太くんは。」

「全てのものに興味がなかったんだよね、昔。
自分にも興味がないのに、他人に興味があるわけないし。
だから一生、独身なんだろうなって思ってた。」

なんとなく、それは想像がつく。

私が片思いしてた頃の裕太くんは、本当にそんな感じだったから。

「他人に固執することもなかったし、
誰かと一緒に暮らすとか、正直考えられなかったよね。
だから不思議。
何でこんなにAに固執すんだろう。
何でAがいいんだろうって。」

「なんかそれって、いい話じゃない感じ?」

「これからいい話になるとこ。」

裕太くんは大人びた笑みを見せては、また話の続きを始める。









「まだ俺も、結婚ってことの意味がわかってないのかもよ?
同棲の延長みたいなもんだろ、とか思ってるし。
まあ、俺的にはAの名字を玉森に変えて、Aを俺のものとして世間に知らしめる、みたいな意味もあるんだけど。」

「別に私は、裕太くんのものになるわけじゃないけどね。」

「…どういう意味?」

「別に名字が変わったからって、裕太くんのものになったわけじゃないよ?
私的には、裕太くんが私のものになったってイメージだから。」

その言葉で、裕太くんはようやくこちらを向いてくれた。

「じゃあ、いいよ。
俺はAの所有物ってことで。」

私の腰に腕を回しかけては、少し躊躇して、

「帯が邪魔なんだけど。」

そう文句を言いながら、結局は私の頭の上に手のひらを乗せてしまった。









さっきまで人がたくさんいた川辺も、次々と人が帰って行き、

沿道の露店もそろそろ店じまいを始めたっぽい。

不意に視線を感じて隣を見たら、裕太くんがこちらを見ていて。

吸い寄せられるようにキスしたあと、

裕太くんはまた私の帯に触れては、私の背中越しに覗き込んだりしている。

「…何?」

「この帯…、どうやって外すんだっけ?」

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クッキーベル(プロフ) - 昨年のクリスマスからこの作品を今日までで一気読みさせていただきました!!すごく面白くて続きが気になります!!!更新大変だとは思いますが、これからも頑張ってください!!応援してます!! (2021年1月2日 19時) (レス) id: 456e770b4f (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 楽しみに更新待っていますね。^_^ (2020年7月28日 0時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
bakutan(プロフ) - こんばんは!この物語とても好きです!ゆっくりでも良いので更新再開してください!!楽しみに待ってます! (2020年6月3日 19時) (レス) id: dde750c273 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» こちらも大変お返事が遅くなりまして!こちらも読んでくださってるとは、ありがとうございます。こちらは更にのんびり更新でやってますが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2020年3月2日 1時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - こんばんは!こちらも楽しみに読んでいます。めちゃくちゃ素の玉ちゃんが出てる感じでリアル感もあり楽しみです!ゆっくりご都合良い時に更新してくださいね^_^楽しみに待ってます。 (2020年1月25日 22時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2019年10月6日 21時

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