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食後の洗い物も彼がやってくれる。
本当に理想の旦那過ぎて、怖いくらい。
私はソファーに横になりながら、そんな彼の様子をぼんやり眺めていた。
お風呂のお湯張が完了したとアナウンスが流れ始めて、洗い物を終えた彼はチラリと私を見る。
「先、入る？」
「いいよ、宏光が先に入って」
彼はソファーまで近づいてくると、何故かその場に跪いて私の頭を撫で始めた。
「…何？」
「なんか、大変そうだなと思って」
「私が？」
「A以外に誰がいんの？
体もしんどいのに、毎日きちんと働いて帰ってきて、
本当に偉いなって思うよ」
…何で急に、そんな優しいことを言うわけ？
妊娠してからというもの、私の涙腺は異常に脆い。
少しでも優しい言葉を掛けられたら、簡単に泣いてしまうわけで。
案の定私は、ぽろりと無言で涙を零してしまった。
「…ごめんね、家事とか何もできなくて
いつも帰ってきたら横になってばっかで、申し訳ないなって毎日思ってる」
涙声でそう伝えたら、
「意外
そんなこと気にするんだ」
とか言いながら、彼は大人びた笑みを見せる。
幸せすぎると不安になるとか、私はどれだけ幸せ慣れしてないんだろう。
「あとさ、前から気になってたんだけど」
気になりついでにもうひとつ。
「ちゃんと、宏光と恋愛しないで結婚したこと、後悔してる
きちんと付き合ってから、結婚すればよかったって」
私は宏光のことを何も知らないまま、結婚しちゃったから。
きちんと宏光と恋愛しておきたかったなって、それだけが心残りなんだ。
「恋愛って、そんなに必要？」
なのに彼はそんなことを言う。
「私には必要
これから長い時間、宏光といるのに
恋人時代の思い出もないなんて」
「そんなもん？」
彼にとっては、そんなことどうでもいいのかもしれない。
だって彼は、数多の人と恋愛を繰り広げてきたんだから。
でも、私との恋愛の思い出は無いに等しいわけで。
「そんなの、これから作ればいんじゃね？」
「子どもが産まれるのに？」
「たまには子どもを預けて、デートすればいいし」
彼はずっと私の頭を撫でていてくれてたけど、ふと、手のひらの動きを止めた。
「安定期ってもうすぐだっけ？」
「うん、来月には安定期に入るよ」
「じゃあ、いけんじゃん」
「何が？」
「安定期に入ったら、してもいいんじゃなかったっけ？夫婦生活」
だから「夫婦生活」って言葉にすり替えても、宏光が言うと生々しいんだって！
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りたわかめ(プロフ) - 牡丹さん» ありがとうございます。更新遅めですが、また読んでやってください♪ (2021年3月8日 16時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - はじめまして！オススメのところから辿り着き、一気に読ませていただきました(☆∀☆)スピンオフも楽しみにしています！！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - 汐里さん» 終わってしまいましたー♪続編も書きたいところなんですが、外伝書きたくなってきて、今ウズウズしてますw (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» 終わっちゃいましたよー(/ω＼)でも外伝書きたくてウズウズしてますがwww (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - nanacoさん» ありがとうございます。けっこう長い時間がかかってしまいましたが、最後まで読んでいただけてありがとうございます♪ (2021年1月12日 20時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月15日 12時
