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「どうする？
俺と付き合う？」
簡単に唇を離した彼は、おでこをくっつけてきては、そんな試すような言葉を口にしてきた。
「逃げなかったってことは、了承したってことでＯＫ？」
「…ずるいよ、私が断れないようにしたくせに」
「うん
俺、かなり小狡いからね」
「開き直るとこ？そこ」
「だって今、人生のうちでかなり大事な場面のひとつだと思うから
遠慮したり我慢なんかしてたら、またAは御託を並べて逃げ出しちゃうだろうし」
「ねえ、それって真剣に言ってる？」
「当たり前じゃん
本当に手に入れたいものの為には、めちゃくちゃ頑張るから、俺」
私の理想としては、泣いて縋るくらい私のことを好きになったなら、付き合おうと思ってたから。
その理想には少し足りないけど、そろそろ私も覚悟を決めた方がいいのかもしれない。
「でも私がいなくても、生活に支障はないよね？」
「あるだろ、普通に
もうかなりのプライベートの時間を、Aに使ってんのに」
確かに。
最近、この部屋に来る頻度も増えてるような気がする。
私からおでこを離してあげて、ひと呼吸。
「…よろしくお願いします」
と、頭まで下げた。
こんな筈じゃなかったのに。
全てが白日の下に晒された私は、「付き合ってあげてもいいよ」なんて、高飛車なことを言える立場じゃなくなったから。
むしろ、こんな恥ずかしい秘密を笑って許してくれた彼に、感謝しないといけないくらい。
目の前の彼は満足気に微笑むと、
「今日も泊まってっていい？」
と、まるで決定事項のように告げてきた。
持ってきてたリュックから何かを取り出すと、
「これも置いてっていいよね？」
とか、更に畳み掛けてくる。
テーブルの上に置かれたのは、部屋着や下着なんかの着替えと、歯ブラシなんかの日用品で。
「持ってきちゃった」
とか可愛らしく言ってくるくせに、その表情は当然とでも言わんばかりに自信に満ち溢れていて。
…最初からそのつもりで持ってきてたんじゃん。
結局その夜は、彼が持ってきてくれたおでんなんて食べられなかったし、ビールだって一滴も飲めなかった。
深夜０時過ぎのベッドの中、まだ心ここに在らずの私と、心なしか満足げな彼は、
灯りを消した暗い部屋で、ずっと無駄な会話を繰り返していた。
「今思えばなんだけど、Aと初めて会った時、なんか変だなって思ってた。」
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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (
レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました！読んで頂けたら嬉しいです(/ω＼*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました！！楽しく読ませていただいてます(*´ω｀*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう！ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月7日 22時
