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「うん、わかってる
だから呼び名、元に戻してよ
いきなり北山さんとか、他人行儀過ぎるだろ」
この状況で、図々しくも「宏光」なんて呼べないんだって。
「俺は初めてAに会った時から、長い付き合いになるんじゃないかなって思った
話してたら楽しいし、反応がいちいち可愛くて
また会いたいって思った」
まるで私と違う。
私はあの日、もう二度と会うことはないだろうと確信して、あの場にいたんだから。
「俺はその日からAに興味を持ってたし、
もっと近付きたいと思ってた
Aは？
俺のファンなんだから、そんな野望を抱かなかった？」
「…そんなの、抱くわけない
私にとって北山さんは遠い憧れの人だから」
そう言った途端、彼の手が私の肩を引き寄せる。
「…だから、宏光って呼べって言ってんじゃん」
「今更、他人行儀なことやめない？
俺らもうキスだって何度もしてるし、同じベッドで寝たりしてんのに
そんなに俺のファンだってこと、知られたくなかった？」
正直に頷いてみせたら、彼は軽くため息をつく。
「気にしすぎなんだって、Aは
俺は喜んでるんだから、それでいいだろ」
「よくない
穴があったら入りたいくらい、今、恥ずかしすぎて死にそう」
「ふーん…、
でも俺、恥ずかしがってるAの顔、見たいかも」
って、わざわざ私の両頬を持ち上げるようにして上を向かせるとか、どんだけ無礼な男なんだろう、彼は。
「ほんとだ、顔赤い」
って、満足げに微笑んだあと、やんわりとその腕の中に包み込んでくれた彼は、
「まあ…、こんなことになっちゃったけど
俺的には全然気になんないし、むしろ好きでいてもらえたってことに喜びまで抱いちゃってるわけだから
もう、無理すんのやめない？」
幸せそうな声で、そんなことを呟いた。
「…何？無理って」
腕の中で甘えきってる私は、それでも不貞腐れた声を出す。
「だから、Aは俺が好き
俺もAが好き
もうそれでよくね？」
「もし私が、現実の北山宏光には幻滅してたら？」
こんなこと言いたいわけじゃないのに。
もう、YESって言ってしまえばいいのに。
私の中の天邪鬼が勝手に暴れ出す。
「本当に幻滅してるなら、
これからすること、全力で拒否してよ」
低音でぼそっとそう告げると彼は、拒否する暇も与えないくらいの素早さで、
その思ってもないことばかりを言ってしまう私の唇に、そっと蓋をするように口付けた。
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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (
レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました！読んで頂けたら嬉しいです(/ω＼*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました！！楽しく読ませていただいてます(*´ω｀*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう！ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月7日 22時
