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「Aってさ、俺のファンだったわけじゃん？
その頃は俺のこと、なんて呼んでた？」
「何で？」
「今日、学生時代に好きだったアイドルの人と、局ですれ違ったんだけど
その当時は、愛称で呼んでてさ
なんか、懐かしくて」
誰だ？その好きだった人って！
微妙に胸の中がモヤモヤしてくる。
「だから、Aはファンだった頃、俺のことをなんて呼んでたのかなあ、とか思って」
「北山くんって呼んでた」
「固くない？
名字にくん付け？」
私の場合、尊過ぎて下の名前でなんて呼べないっていうだけの話なんだけど。
「みっくん、とか密かに呼んでんのかと思ってた」
とかって、耳元でくすくす笑われたけど。
呼べるわけないじゃん、そんなに容易く「みっくん」だなんて。
知らないだろうけど、私の愛はなかなかに重いんだから。
「…今日からしばらく、毎日Aに会える」
こんな意味深な言葉を口にして、彼はコトリと眠りに就いた。
たぶん今夜も３時間くらいしか眠れずに、そのまま仕事に行っちゃうんだろうな。
それにしても「みっくん」とも呼べなかった私が、今ではリアルな本人に向かって「宏光」って呼んでるわけだから、
人生っていうのは、何が起こるかわからない。
それからふた晩、彼の部屋で過ごした。
彼はやっぱり深夜遅くに帰ってきては、数時間だけ寝て出かけて行く。
大晦日の朝、出かけ間際に、
「じゃあ明日、霞さん家でね」
そう言いながら、彼は手慣れた感じで私を引き寄せた。
いつものお出かけのキスだなと思って、条件反射で目を閉じて待っていたけど、一向に唇が降りてこない。
薄っすら目を開けてみると、今まで見たことないくらいに切ない目をした彼が、至近距離で私を見つめていた。
「なんか…、いいね
こういう生活」
さっきまで切ない目をしてたくせに、目が合うとくしゃっと鼻の付け根に皺を寄せてあどけなく笑うと、
「行ってきます」
その割には全然あどけなくない扇情的なキスをして、彼は出かけて行ってしまった。
…なんて人だ、この人は。
私といる時の彼は、表情がクルクルと変わる。
出かけ際にあんなキスをしてくるとか。
そして…、問題は明日。
私達は初の旅行に出かけるわけで。
さっきのキスは、予告みたいなものなのかもしれない。
そして私は、彼の旅行の荷物を作りながら、妄想ばかりを膨らませていた。
やっぱり勝負下着は、メンカラとかがいいんですかね？
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りたわかめ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます、多分、3ヶ月ぶりくらいに更新した気がします・・・。夏の間は死んでました(T^T) (2020年9月6日 21時) (
レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひろさん» 本日、移行しました！読んで頂けたら嬉しいです(/ω＼*) (2020年9月6日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わかめさん、更新ありがとうございました。めちゃくちゃドキドキです。 (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8591dd4797 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 久々の更新楽しみにしてました！！楽しく読ませていただいてます(*´ω｀*) (2020年9月1日 22時) (レス) id: 57f2f46317 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - moraさん» わざわざ聞かせてみましたwwwいこう！ってwwww (2020年9月1日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2020年2月7日 22時
