無敵のスピカ

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「･･･って、Aにもちゃんと理解してもらわないと無理なんだよな。」


「う、うん。理解？」




割り切るって事なの？
そりゃ、宏くんは気心知れた関係で居心地はいいし
このまま一緒に暮らせと言われればなんなく過ごせると思う。



でも、それが男と女として･･･？





「まずは手始めにベットインすっか。」


「べっと、いん。･･････って、バカじゃないのっ？」



無理無理無理無理っ、
お兄ちゃんとそういう事出来ないってっ。



って、




「宏くんは平気なの？私とそゆこと出来るわけ？」




出来るわけないじゃん、私なんて宏くんにとってはただの鼻垂らした子供っ(言い過ぎ)「出来るよ。」








「･･･へ？」


「出来るっつーか、したい。したいなって思う。」








・・・・嘘でしょ？






でも、いきなり私をオスの目で見てる宏くんの視線が何より嘘じゃないって物語ってて急に怖くなった。






「･･･まずは俺の事、意識してよ？」





宏くんの手が私の頬に伸びてきて
それはそれは大事そうに大きな手で撫でてくる。



それがまるで行為の前戯のような手つきと目線で一気に鳥肌が立った。



同時に後ろに仰け反って、倒れそうになる所を抱きとめられる。






「ふはっ、動揺してるっ、」


「するよっ、笑う所なの？それっ？」





笑ってるくせにその憂いた表情もなんとかなんないかなっ？





「笑っちゃえばいいんじゃない？楽しいじゃん、こういうのも。」





違う違うっ、私は全然楽しくないし、
いきなり男としての宏くんが既に別人に見える。









「やだよ、宏くん、」









脳内ショート寸前だ。
ずっと幼なじみのお兄ちゃんからいきなり男を出されて
戸惑いやら悲しいやら怖いやらで処理しきれない。






「嫌だ、宏くんは宏くんでいてくんないとっ、」



ついに涙が零れてしまった。




そんな私を見てか、深いため息が聞こえてきたけど
そもそも、そんな事急に言われて納得出来るわけないでしょ？






「･･･泣く程嫌か、俺との結婚。」


「嫌だ。だって宏くんと子供作ったり育てたりすんの？想像付かないもん。」


「そ？俺はすんなり想像出来たよ。だって俺ら育った環境ほとんど同じじゃん？きっとなんの違和感もなく二人で子育て出来るって。」

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