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「結婚式、北山さんも来ればよかったのに」
大人な私は、何度でもこういう雰囲気を躱してあげる。
でも本音を言うとね、まだ北山くんと付き合うとか大それたことは考えられないんだ。
「それ、話題を変えてるつもり？」
「うん」
「変わってないから」
そう言ってまた、言い包めるみたいに唇を重ねてきても。
私はそれを、簡単には受け入れたりしない。
体は受け入れてても、まだ心には北山くんを入れてあげないから。
わざとゆっくりと唇が離されて、またおでこをくっつけられそうになった瞬間、
「結婚式、よかったよ
北山さんも来ればよかったのに」
また同じ話題を持ち出した私に、彼も呆れ笑いで話に乗ってきてくれた。
「俺が行ったら、台無しにしちゃうかもしんないじゃん」
「大丈夫だよ
みんなで全力で守るし」
「よく言うよ
Aは二次会でも知らん顔してたくせに」
その唇から初めて、私の名前が呼び捨てされるのを聞いた。
私がじっとその唇を見つめていたら、
「何？」
心配そうな目になって、私の顔を覗き込んできた彼の、その頬を両手で掴むようにして包み込んでやる。
「今、私の名前、呼び捨てにした？」
彼の瞳が緩む。
「した」
「何で？」
「嫌だった？」
「嫌じゃないよ
でも、急に呼び捨てにした理由を聞きたいから」
「距離を詰めたいから
Aと」
彼はくすぐったそうに笑うと、固定されてる私の両手に自分の手のひらを重ねてくる。
まるで逆に、固定するかのように。
「嫌なら呼びすてんのやめるけど、どうする？」
「…嫌じゃないよ」
「じゃあ、うれしい？」
そんなことを言いながら、私の両手を誘導するかのように自分の顔を近付けてくる。
ああ…もう、どうしても自分のペースに持って行きたいんだね。
いいよ、それなら。
私からその生意気な唇を強引に塞いであげれば、彼は不満げに唇を尖らず。
「A
最近ちょっと、性格変わった？」
「北山さんが攻めてくるばっかだからじゃん」
「Aが躱してばっかだからじゃない？」
「一体、北山さんは私とどうなりたいの？」
そう聞いただけで、彼は簡単に目を丸くする。
驚いた？
私だってたまには逆襲するんだから。
さんざん繰り返してきたギリギリの会話と、今日みたいなキスの仕方だとか。
私が音をあげるのを待ってるのかもしれないけど。
私は、北山くんの思い通りには動かないから。
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りたわかめ(プロフ) - えぴさん» ありがとうございますm(__)m (2022年1月2日 21時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
えぴ - ほんとにリアルすぎて最高です！ (2022年1月2日 18時) (レス) @page21 id: 06d564cdce (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - えりさん» 本日、移行いたしました。えりさんをドキドキワクワクさせられますように(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - renaruriさん» 更新いたしました。ちょっと急展開になってるかもです(/ω＼) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - moraさん» やったー！いい感じに予想を裏切れてる？私w moraさんの予想を裏切れるよう頑張ります(*'ω'*) (2020年2月7日 23時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2019年9月28日 20時
