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「何考えてる？今。」
先生はそう問い質してくるけど、信号が青に変わって仕方なく、視線を戻した。
しばらくの沈黙のあと、
「で、年末年始は？
どっか帰省とかすんの？」
先生はそんなことを尋ねてくる。
「どこも行かないよ。」
「ご両親は？
帰省してくんじゃないの？」
「来ない。」
「何で？」
何でって…。
今まで帰ってきたことなんかないし。
お正月だって夏休みだって、一度も。
「ご両親って、いつ帰ってくんの？
夏休みも帰ってこなかったけど。」
「帰ってこないよ。」
「だから何で。」
「用がないから？」
「用って…。
娘２人日本に置いてんだから、気になって帰ってくんじゃないの？」
気になるわけないじゃん。
お父さんは私達に無関心だし、お母さんはお父さんの言いなりだし。
「うちの親は海外赴任じゃないから。」
「どういうこと？」
学校には、両親の海外赴任による一人暮らしってことで報告してたんだっけ。
「移住だよ。
お父さんがあっちで会社を興したの。
だから帰ってくる予定はない。」
「…は？娘を残して？」
だから普通じゃないんだって、うちのお父さんは。
「お母さんは？
あんなにAのこと心配してたのに。」
「お母さんは、私のお母さんの前に、お父さんの奥さんだから。
所詮他人だし。」
あーあ…、こんな会話したくないのに。
うちみたいな複雑な家庭事情は、誰に話しても理解してもらえないと思うから。
案の定、先生は言葉に詰まっちゃってるし。
だから言いたくなかったのに。
「じゃあ…、冬休みの間、うちにいる？」
先生の家に？
冬休みの間、ずっと？
ほんとはうれしいくせに、今精神的にグラグラしてる私は、
「もしかして同情してる？
私が年末年始、１人でかわいそうだから。」
とか、可愛くないことを言ってしまう。
「…めんどくさ。
そういう天邪鬼な反応も、俺はもう慣れてるから。
素直になれば？」
先生に鼻で笑われて、余計に私は頑なになる。
「いい。
クリスマスも年末年始も１人で過ごすって決めてるから。」
「ふーん…。
じゃあ、俺も寂しく１人でクリスマスも年末年始も過ごすわ。」
「…帰省すればいいじゃん。」
「Aが１人で過ごしてんのに？」
「そんなの関係ないし。」
「今日のAはなかなか面倒くさくない？」
苦笑いで言われるならまだしも、先生は、本当にうんざりしたような顔でチラリと私を見た。
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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました！返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (
レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω＼)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2017年12月29日 22時
