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「それって…、決定なの?」
「…俺がOKしたらね?」
意外と淡々と言うんだね、先生は。
まるで最初から決まってたことみたいじゃない?
そっか…、先生はこうなることがわかってて、私と付き合うことにしたんだ。
だって1年経ったら、私とは離れちゃうわけだし。
さっきまで近くに感じた先生が、なんだか急に遠い人のように思えてきた。
「…何?急に黙り込んで。」
斜め向かいに座ってる先生は私の方へ身を乗り出してくるけど、私はまるでそれを避けるように体を後ろに引いた。
「何?」
そんな私の態度に、先生は不思議そうな顔をするけど。
「なんか…、わかった気がする。」
そう言ってそのまま私は、もっと先生から離れるように体を避けた。
「先生は最初から、そういうつもりで私と付き合ってたんだ。
どうせ1年経ったら、遠くの高校に異動になるから。
そうしたら私と別れる正当な理由だってできるもんね。」
なのに先生は、
「あー…、そういう風に解釈しちゃったか。」
なんて言いながら、私に手を伸ばてくる。
指でそっと輪郭をなぞると、そのまま後頭部を手のひらでくしゃくしゃと撫でて。
「やめてよ。」
私が首を振って嫌がっても、先生は全然やめてくれなくて、
むしろ楽しそうに笑ってるだけ。
「こじらしてんねー、いろいろ。」
「何それ。」
「さっきまで「先生好き好き」って顔してたのに。」
「…してないよ、そんなの。」
先生は飽きもせず、ずっと私の頭を撫でてる。
「もう、撫でないで。」
「やだね。
撫でてたい。」
「嫌なんだって。」
「俺は嫌じゃない。」
何?この会話。
まるで小学生の会話じゃん。
「やめないよ?俺は。
Aを可愛がるのも、Aと付き合うのも。」
よく言うよ。
別れる準備万端だったくせに。
「1年で異動になることは決まってたけど、それは前の学校に戻るって話だったから。
何も気にしてなかった。
まさか隣の県の高校に異動になるなんて思ってもみなかったし。」
隣の県なんだ…。
じゃあ、もうこの街からは引っ越していなくなっちゃうんだね?先生は。
そしてこの街に取り残された私は、また1人に戻って無気力な生活を送るんだ…。
「俺、この異動にOKしちゃっていいの?」
からかうような言い方で先生が顔を覗き込んでくるのが嫌で、私はますます先生から顔を背ける。
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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時