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「やめろって。」

拒否の言葉を口にするくせに、体はちっとも拒否してこなくて。

そんなところが可愛かったから、今日はやめてあげる。

ちゃんと座り直して、私も本題に入ってあげる。

「バイト、減らせないの?
毎日、疲れきってる二階堂くんを見るの辛いんだけど。」

「俺…、そんなに疲れてる?」

「疲れてるよ。
今までもそんな生活してたのかもしれないけど、来月から就活も始まるのに、どうするつもり?」

「今のうちに前期の授業料を稼いどかないとやばいから。」

わかってるよ、そんなの。

でも平均睡眠時間2時間とか、人間としてやばくない?って言ってんのに。









だから、やり過ぎかとも思ったけど、

クローゼットの奥から預金通帳を取り出して、二階堂くんに差し出した。

「…何これ。」

「私がバイトで貯めた貯金。
二階堂くんに貸してあげる。」

「…は?何言ってんの?
そんなの受け取れるわけないじゃん。」

わかってるよ、そんなの。

でもそこまでやらないと、二階堂くんはわかってくれないじゃん。

「Aに借金して大学に行くくらいなら俺、もう大学辞めるわ。」

二階堂くんは急にそんなことを言い出しては、思い詰めたように目を伏せてしまう。

やばい…。

そっち方向に行っちゃったか。

急いで軌道修正しないと!









「じゃあ、私にひとつ提案があるんだけど。」

「…何。」

「実家にお願いしない?」

だけどすぐに、

「無理。」

って、即答されてしまった。

まあ、その返しもわかってたけどね。

「きちんと謝罪して、話し合ってくるべきだと思う。」

そう言い切れば、二階堂くんは黙り込んでしまう。

いつもそうだよね、都合が悪くなるとそれ。









「二階堂くんと一緒に過ごせるのは、あと1年くらいなのに。
ずっとバイトしててすれ違いとか、もったいなくない?」

その言葉に、二階堂くんはピクリと眉を動かす。

よし、あともう一押し。

「きちんと話しておいでよ。
それでもダメなら、諦めればいいんじゃない?」

「でもそんな簡単じゃないんだって、うちの親は。」

…お、喋った♪

そして、トドメの一発。

「私もついて行ってあげるから。」









だけど私は、自分で放ったこの言葉に苦しめられることになる。

…そんなつもりで言ったんじゃないのに!!

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わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時

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