検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:240,833 hit

20 ページ20

普通は人の秘密を無理矢理聞き出したりはしないはずだよ。

なのに二階堂くんは容赦ない。

「言うまで離さないから。」

あんまりそのやり方が強引だから、どんどん私も腹が立ってきた。

酔ってるのもあって、普段なら我慢できることも我慢できなくなってきたんだ。

「私の好きな人を聞いて、二階堂くんはどうするわけ?」

「どうするって…。
知りたいじゃん。」

「知りたいだけ?」

「大切な友達のことは全部知りたいし。」

少しずつ、私のイライラは増していく。

何で二階堂くんは、私の気持ちを考えてはくれないんだろう。

自分の気持ちばかり押し付けてきて。









「その好きな人が二階堂くんだって言ったら、どうする?」

言わせたのは二階堂くんだよ?

でも断言じゃなくて曖昧にしてあげたのは、私からのささやかな優しさ。

「…え?」

さすがに二階堂くんも目を丸くして固まってるから、その隙に私はその手のひらから逃げ出した。

「どうする?って…。
ちょっと待って。
それ、本気で言ってる?」

「本気で言ってる?」って言葉に、何故だか私は深く傷ついた。

やっぱり言うんじゃなかった。

試すようなこと、するんじゃなかった。

だから、

「冗談に決まってんじゃん。」

って、無理矢理作り笑顔で、その場から立ち上がった。








「もう帰るね。
明日、私1限から授業入ってるから。」

自然に振る舞えてるかな。

あと一つ、何か言われたら泣き出しそうだよ。

さっきまで酔って泣いてたせいで涙腺は緩んでるから、ちょっとした刺激ですぐに崩壊してしまいそう。

二階堂くんは呆然とした感じで、そんな私を見上げてるだけ。

「じゃあ、また明日。」

それだけ言うと、玄関に出た。

スニーカーの踵を潰したまま、部屋の外に出る。

エレベーターを待っている間ももどかしくて、階段を駆け下りた。

とにかく、早く1人になりたい。








なのに、いきなり背後から階段を駆け下りてくる音がして、あっという間に二階堂くんに追いつかれてしまった。

「A、待って。」

そのまま私の手首を掴むと、さっきみたいに全然離してくれなくなった。

「A、今の話。
本当に冗談?」

って、あんまり真剣な目をして聞いてくるから、もう諦めた。

教えてあげるよ、本当の気持ち。

もう振られてるようなもんだし。

「本当だよ。
私、二階堂くんのことが好きだから。
だからもう友達じゃないって言ったんだよ、昨日。」

21→←19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (454 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
985人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。