すべて、まっしろになるから (ページ33)

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皇輝side

Aはもう長くない。

高校生の頃に心臓に疾患が見つかって治療してきたが、手の施しようがないと言われたのは半年前。

余命半年と言われ、もうすぐ医師から言われた期間が来る。

余命宣告なんてただの脅しかと思いたいけど、こいつを見てるともうすぐなんだと思ってしまう。

こうしてAがたくさんの機械に繋がれてるのを見るとあの日をどうしても思い出してしまう。

元気だったAはあの日いきなり両親や俺や星輝の前で崩れるように倒れた。

そして病院に運ばれ、処置が終わって通されたのはたくさんの機械に繋がれてる中で眠っているAの病室だった。

そして両親が先生に呼ばれた。

30分くらいして戻ってきたのは父親だけだった。

星『母さんは、？』

父さんは力なく微笑んで俺らの肩を抱いた。

皇『父さん、いた、』

肩を抱いている父さんの手の力が痛いと言えなかったのは父さんが静かに涙を流していたから。

初めて見る父親の涙だった。

皇「ごめんな。変わってやれなくて。俺たち双子なのにな。」

「皇輝、、？」

皇「起きたの？おはよ？」

「皇輝、笑って？」

ほんとにこいつは俺の気持ち見透かしてるんだから。

神様、まだこいつを連れて行かないで。