消えてしまわないで Ⅲ (ページ18)

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湧side

いつもみたいにAの病室を訪れたら今日はおばさんがいた。

なんやかんやで時間があまり被らないから久しぶりな気がした。

母「いつもAのためにありがとね。」

とおばさんが言う。

秀「いえ、Aには何もしてあげれないですから。これくらいしか。」

俺らは医者でもなんでもなくてAの病気を治してあげれるわけがない。

母「あのね、秀生くん、湧もうここには来ないで欲しいの。」

思わずおばさんが言った言葉を疑った。今まで迷惑に思ってる素振りはなかったから。

秀「おばさん達にとって迷惑でしたか？ならごめんなさい。」

母「あなた達のこと迷惑だって思ったことなんてないわ。むしろ、感謝しきれない。」

じゃあ、もうなんで来ないでっておばさんがいったのかさらに分からなくなった。

湧「じゃあこれからも、、」

母「ダメよ。あなた達に感謝してるからこそそれは出来ない。あなた達には幸せになって欲しいの。」

だから早く

母「Aのことは忘れてあなた達はあなた達の人生を送ってちょうだい。」

おばさんが泣きながら訴えるから返す言葉もなかった。

やっぱりAの親だなと思った。