消えてしまわないで Ⅲ (ページ14)

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秀生side

Aが手術室に運ばれてからもう10時間が経とうとしてた。

たまに慌ただしく出入りする看護師さん達がさらに俺らを不安にさせた。

秀「なんで今日なんだよ、、」

今日はAにとって1番大事な日で幸せな日になるはずだったのに。

もしかしたら最期になるかもしれないAに幸せにいっぱい浸って欲しかったのに。

今日の結婚式が幸せでAがもっと生きたいと望んで欲しかったのに

それさえも神様は許してくれなかった。

秀「A、っ頑張って、、」

最期の最愛の人の記憶が崩れゆく花嫁姿なんていやだ。

今日はAの病気のことを忘れるって決めたはずなのにその結果がこれかよ。

神様は一日でもAが幸せになることすら許してくれないのかよ。

爪が握りしめる手のひらにくい込んで痛いはずなのにそのことすら感じない。

母「…っ！！翔太先生！！あの娘は？！」

手術室の転倒が消えたことすら気づかなかった。

おばさんの声で手術が終わったことがようやく理解出来た。

秀「しょっぴー！！Aは？！手術は？！」

こんなに心臓がドキドキしたことはない。心臓がうるさい。

渡「手術は無事終わりました。

しかし、、、」