伊野ちゃん、ママになります。8

映画館 ページ26

慧side



寒気を感じて起きると、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。



寒さから逃れようと、まだ横で寝てる涼介に近ずきながら、毛布を肩まで上げると


慧)ﾝｯいぃってｯ､ｲｯ



腰が激痛を走り、反射で体を丸めると、腹部や腕や股関節などあらゆる所にも痛さを感じた。



そのせいで、眠気は覚めて、ただただベットの上で体を微動だにしないで目を閉じ痛さから耐えていた。



ぽんぽん


慧)ん？




目を開ければ、上半身裸の涼介が、体を起こして、俺の顔を覗きながら頭を撫でてくれていた。



涼介)おはよ、体痛いでしょ？
マッサージしようか？





言葉も発することなく、小さく頷くと、温かい手の平が背中に感じて、ゆっくりゆっくりほぐしてくれた。


涼介)寝れそうなら、寝ちゃっていいからね。



涼介)肌荒れしてるから、クリームも塗っとくね。




涼介)ホットタオルもしておこうね。






何も喋らない俺に、たくさん話しかけてくれて、痛さもマッサージ前よりかは良くなったと思う。





でも……




慧)…ぇー…ぉ…、、のにっ､､､

涼介)ん？ごめんもう1回言って？

慧)デートだったのにっ…いけなくなっちゃったｯｯ､…久しぶりにデートだったのに(泣)
涼介の2人でお出かけできる日…なかなかないのにｯ､……行きたいっ…でも、、、体が言うこときかないのっﾋｯｸﾋｯｸ(涙)

涼介)けーいっ！ﾁｭ
映画館行かない？

慧)ふぇっ？えいがぁ？ﾋｯｸﾋｯｸ

涼介)近くに映画館あるんだって。
しかも、仕切りがあってね、仕切りごとに3人掛けのソファがあるみたいなんだ。
顔バレもしないし、体にも負担少ないと思うし、あと慧と見たい海外映画あるんだよね！行こ？

慧)ｯ､行く

涼介)よし！行こっか！(*´罒`*)



頭をクシャクシャって撫でてくれて、6秒前に悲しくて流していた涙を指で拭いてくれた

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