この手を離すな【銀魂】4

悩み : 土方 ページ35

土「近藤さん、これなんだけどよ」



がらっ



近「あーお妙さぁんんん！！」


土「………」


近「…あ」



ぴしゃんっ



近「待ってー！トシ待ってー！！
無言で閉めないで！
座布団にお妙さんの写真貼って、
抱きついてる俺にドン引きしないでー！！」



…がら



土「…仕事の話ししていいか」


近「…もちろんです」




土「…で、これは終に任せたいと思ってる。
駿河に行かせてる隊は引き続き、調査を行わせたい」


近「まだ、何ひとつ上がってきていいのか？」


土「…ああ。でも必ず、証拠は上がる筈だ」


近「そうだな…！諦めずに続けよう！」


土「また山崎にも行かせるつもりだ。
ふぅ…じゃあ、部屋に戻るわ。
これ、判子頼むな」


近「おう、わかった！
…あ、そうだ、トシ」



立ち上がる俺を近藤さんが呼び止める。



土「なんだ？」


近「Aちゃん、万事屋に電話してたか？」


土「は？万事屋に？」


近「ああ、なんか悩んでたみたいだったから
万事屋に依頼してみたらどうだって、
提案したんだよ。って言っても、
お前、さっき見廻りから戻って来たんだもんな。
悪い、何でもない」


土「……悩んでた…？」


近「ん？もう行っていいぞ？」


土「あ？…あ、ああ」



ぴしゃん…



悩み。
万事屋のことか。



土「……はあ」



そんなことを考えてる場合か。
あいつの悩み、いや苦しみになる
四辻事件をさっさと解決しねぇと…。



土「……ん？」



髪をかき乱しながら、
自室に向かっていると
前から白い物が歩いて来た。
桂の横にいる、生き物みたいに
ゆっくり俺に近づいて来る。
霞む目を何度か瞬きして、



「…っと、…おお…」


土「喋った…」


「え？…ひ、土方さん？」


土「…A？」



よく見ると白い布からは
細い足首が見えていて、
声がした方を覗いてみると
大きな眼が見えた。



土「……何してんだ？」


「へ？あ、洗濯物のシーツを
運んでいます…」


土「ああ…、いや、前から見たら
白い布が歩いて来たから
何かと…くくっ、思ったんだよ。はは」


「…っはは、すみません。
驚かしちゃいましたね」


土「いや、いいけどよ。
ってか、何枚持ってんだ。貸せ」


「え、大丈夫です！
自分で運びますから！」


土「前見えてなかっただろうが。
いいから」


「じゃ、じゃあ、これだけ…。
すみません」



広間に運ぶと、おそらく
数回は同じように運んでいたのだろう。
山のようにシーツが積んであった。

大変な仕事 : 土方→←恩知らず : 銀時

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