この手を離すな【銀魂】4

食べちゃいたい : 土方 ページ16

その泣きそうになっている顔を見て、
俺の瞳孔は開き刀に手を置いていたが
そんなことにも気付いていないのか
Aは俺を見つけて安堵した様子で



土「お前…！報告もなしに
何勝手に外出してやがんだっ！」


「ごめんなさい！
ほんとにすぐに帰るつもりだったんですが…」


土「助けてって、屋台の前で…
一体何があった！？ケガしてねぇか！？」


「え、ケガ？はい、してません。大丈夫です。
助けて欲しいと叫んだのは、」



ばっ


ぐいっ



「きゃっ」


土「！？」



突然、屋台の暖簾から腕が出て
Aの腕を掴み、引き摺り込んだ。
俺は誰だ！と声を上げ、暖簾を上げる。




威「ちょっと、何してんの、A。
ほら、早くこれも食べて」


「だ、だから神威さん、
わたしもう、ほんっとに
お腹がいっぱいで苦しくて
お金も…」


威「お金？そんなこと気にしなくていいよ、
幾らでもあるから、奢ってあげる。
一人で食べても美味しくないでしょ？
遊郭の女でも連れ出そうと思ってたんだけど
Aに逢えて、ラッキーだったよ」


土「…お前は！春雨じゃねえか！
何でこんなとこに…！」


威「ん？あれ、君誰だっけ？」


土「妹にでも逢いに来たのか！？
まさか、高杉も来てんのか！」


威「あんなブスに逢いに来る訳ないだろ。
それに君、あれだ。何とかっていう、
幕府の犬だろ？晋助のことは話さないよ」


土「つうか！いつまで握ってんだ！！
さっさと腕離せっ！！」


威「ダメだよ、A、離すとすぐ
帰ろうとばかりするんだから。
ちゃんと最後まで付き合ってよ。ね？」


「…はい、わかりました」


土「いや、はいじゃねえよ！
わかりましたじゃねえよ！！
お前、こいつは天人で宇宙海賊の
頭イカれた戦闘種族だぞ！！
さっさと離れろ！」


「はい…えと、さっき色々話して
お話聞きましたので大体は存じてます」


土「存じたのかよ！！だったら、
どんだけ、やべぇ奴かわかったろ！？」


威「別にAを殺したりしないよ。
まぁ、食べちゃいたいなとは思ってるけど」


土「てめぇ、今すぐ現行犯で連行すんぞ」


威「とにかく、食事が終わるまで待っててよ。
何なら、あんたもいたっていいから。
阿伏兎が仕事があるとか言って、
一人にさせられてさ、つまらなかったんだよ」


「…阿伏兎……」


威「ん？知ってんの？」


土「知る訳ねぇだろうが、」


「鳳仙さまが…」


威「え！？なんでAが
あのおっさんを知ってんの！？」

軽さも冗談も : 土方→←神経 : 土方

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す