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ライトに無塩 : 土方 ページ11

「…あの、土方さん」



書類作業に没頭していると
部屋の前からAの声がした。
また、茶でも持ってきてくれたのか。



土「あー…?」


「お仕事中、すみません…。
あの、お昼ご飯は召し上がらないのですか?」


土「あ?」



小さく開けた襖の向こうから、
遠慮がちにこちらを覗くAの言葉に
はっとして顔を上げる。
いつの間にやら、時計は昼を過ぎていた。



土「あー、もうんな時間か」


「まだでしたら、あの…
お昼ご飯をいくつか見繕ったので
よかったら……」


土「え」


「あ、すみません!
お外で召し上がられるのなら、これは、」


土「い、いや!ここで食う!
だから、それ…、」


「……えと、」


土「貰えるか?」



襖の向こうで
持ってきた食事を片付けようとする
Aを必死に呼び止める。
Aは少し嬉しそうに
もちろんです!と部屋に入る。



土「おお、旨そうだな」


「食堂で出した、お昼ご飯と
少し量が足りなかったので
いくつか作りました」


土「は?わざわざ、作ったのか?
Aだけで?」


「ええ…いつもはほとんどの隊士の方が
昼食は外で済まされるそうですが
今日はなぜだか、みなさん食堂で食べられまして…」



きっと、おばちゃん達に聞いたのだろう。
首を傾げてる、自分のせいだとも知らずに。



「なので、片づけ後にいくつか…。
おばさま達に手伝ってもらっていないので
お口に合うか、わかりませんが…」



器に盛られた品々は、いつもの定食より
細部まで綺麗に盛り付けられていて
食堂メニューの残りに合うように、
作ったのだろうことが伺える。
食堂行かずに得したな、こりゃ。



土「は…?得?」


「え?」


土「な、何でもねえ!!
わざわざ、すまなかったな。
有難くいただく。今日は机から
離れられなそうだったから助かった。
いただきま、」


「土方さん!忘れ物です!」


土「!?マヨネーズ…!」


「冷蔵庫にいろんな種類があったので
どれがいいのか、分かりませんでしたが
とりあえず、この二本を持ってきました」


土「ライトに無塩か」


「だ、だめでしたか…?」


土「いや、デスクワークの日に
もってこいのセレクトだ。
やるじゃねえか」


「あ、ははは、良かったです…」



ぶっちゅううぅ



土「うん、うめえ…もぐもぐ。
お前、料理も出来るんだな」


「ほとんどマヨネーズですけど…
お口に合ってよかったです。
…あ、ここにマヨが」


土「あ、どこ、」



す…

ウホウホ : 土方→←正気 : 銀時



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美雨(プロフ) - シリアス系の人さん» 更新が滞っていたのにコメントいただけて、嬉しいです!ありがとうございます!ゆっくりにはなってしまいますが頑張ります!! (2019年6月23日 22時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
シリアス系の人 - いつも見てます!更新頑張ってください! (2019年6月23日 19時) (レス) id: 3f134b9658 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年5月19日 23時

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